NOVEL

□馬鹿、二人。
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訳が、わからない。書類も減らない。

イライラ。

「罵倒されてうれしいか、おめでてぇな、このマゾヒスト」

カス鮫が一瞬、きょとん とした顔になる。
(あぁ、ここは初めての展開だ)
今までは全て総無視してたのだが、今回は思わず新しい展開。

「別に、罵倒されるのがうれしいわけじゃねーがよぉ?」
やつも新しい展開に馴染めずにいるのか、やっとのろのろと返事をした。

じゃあ何が、 そういう前にカスがしゃべりだした。
「あんたが、反応してくれるから」

「あんたがずっと、返事をくれなかったから」

だから、少しでも反応してくれるのがうれしくって、とやつは目をすがめた。


何回も言い慣れてしまったようなやつの口振り。

何故そんなにも、幾度となく同じことを言う?


そんなこと、簡単だ。


返事がないことに、慣れてしまっていたから。

なんて馬鹿馬鹿しい。
救いようのない馬鹿。


俺だってこの8年間言えなかった言葉が、
言いたかった言葉が、 あるというのに。


自分だけが8年待ったとか思ってんじゃねえ、ドカス。
自分だけがこんなにも好きだとか 思い上がるんじゃねえ、カス鮫が。

俺の方が上に 決まってんだろ。


俺だって こんなにも

『    』

てめえが何回も言うから、言えなかったじゃねーか。


またやつは目をくるりと丸めて、そしてうつむいた。

長い髪から少し出た耳が、心なしか赤い。

(そう、この反応だ)

髪はすっかり長くなってしまって、前はうつむいても見えていた顔は隠れてしまっているけれど。

(おまえみたいに何回も言ったら、おまえはゆでダコみたいになるのかな)


俺は再び、口を開いた。


      馬鹿 、二人。


     END




実は初めて書いたXSです…
なんだこれ…
あれですね、氷に向かってずっと喋りかけてたってことになりますよね、これ。汗
ボスがなんて言ったかは…ご想像にお任せします(考えてなかった←)

友達に押しつけたブツです汗
貰ってくれてありがとう!
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