NOVEL

□RIDERE side:X
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そのガキの刀にめいっぱい頭をやられて、カスは水の中に倒れた。
甘ぇことにガキは刃とは逆の方で打ちやがったが、打ち所が悪かったらしい。起き上がらない。
それが意味するのは、

   スクアーロの敗北


それを意識すると同時に、ずいぶんと昔の記憶が舞い戻ってくる。

  くそ。

俺は、この先を知っている。

このステージの構造を、敗北者の行く末を、知っている。

「……スクアーロ…」


『そしたら、ザンザス、笑えよなぁ』


「ぶはぁっ ざまぁねぇ!!負けやがった!!!」

別にてめーのために笑ってんじゃねえ。
てめーがカスすぎて笑ってるだけだ。

  それだけだ。

  なのに。

「用済みだ」

なぜ、俺は自らそのカスに手を下そうとしているのか。
なぜ、超直感は、俺でなくてはならないと、言うのか。
なぜ、俺は、部下が止めるのを振り切って、お前の元へ行こうとしているのか。
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