NOVEL

□くそぼす。
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「…あいつは、そんなに弱くねぇ」
「そうね、私より強いわ、腕っぷしはね」

「あの子にとって、強くなることがあなたへの一番の忠誠の誓い方だったから。
あなたが世界のすべてだったから」


遠回しな言い方にイライラしたが先が知りたかったので、それを抑えて先を促した。

「…何が、起きた」

ルッスーリアは、いつも垂れ下がっている眉を少しひそめて話しだした。



「あなたが長い眠りについて、あの子はすぐボス代理に昇格したわ。それでもかたくなに2本の線の入ってるジャケットを着たがらなかったけど、しかたないわね、だって一般にはボスはボンゴレを離れていることになってたから」


ルッスーリアの口は、俺が持っていない8年間の一部を生々しく語り、さすがに疎外感を感じた。

それもこれもおいぼれのせいだ、クソッ


「…剣しか脳にないあの子は、あなたのいない穴を埋めようと一生懸命努めたわ。そりゃぁもう、目を疑うくらい。あの時は、この子なりにがんばってるのね、って安心したのよ。でもそれがいけなかったの。
ある日お茶を運びに行ったら、執務室は惨状だったわ。そうね、デスクから血が滴ってた。
あなたが残した仕事を全て片付けたスクアーロは、カミソリで自分の首を切ったの。剣じゃなくてカミソリってとこでまだ奥底に理性があったんでしょうけど、でもそれでもひどい血の量だった。

……大切な人が、世界のすべてだった人がいなくなって大丈夫なわけないのに…。だって、あの子まだ14才だったのよ…?
気付いてやれなかった自分が本当に醜いわ…。」


「ごめんなさい…ボス……これが全てよ」




なんでてめえが謝ってんだよ。




なんで俺は、あいつを8年も待たせてんだよ。



8年て、どれくらい長ェんだよ。


それさえも、わからないなんて。


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