鏡面の裏側
□花盗人は何を思う 前編
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チャット中に出ました、藤ルル前提卜ルルですvv
ネタをふってくださったゆうき様と、チャットに参加されていた方々に差し上げますvv
因みにルルを女の子にしようか男の子にしようか迷いましたが、結局男の子にしました。(女の子だと、後々大変そうだったので(苦笑)) そして騎士団にはゼロバレ、交際バレ済みという事で。
長くなったので前後に別けました。後編も暫くしたらUPする予定です。もちろん、裏で(笑)
まだエロが無いので、前編だけ表においておきます。
それでは、大丈夫な方はどうぞvv
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キョウトへと向かう予定の車の前で、二人の男が向かい合っていた。
背の高く、しっかりとした体躯を持った男と、華奢で、女性と見間違わんばかりの美少年。
二人の手はしっかりと繋がれ、熱くお互いを見詰め合っている。
「俺が居ない間、気をつけるんだぞ?」
「わかってますよ、藤堂さん。藤堂さんこそ、気をつけてくださいね?」
「もちろんだ。それよりも、君の方が俺は心配だ。君の身に何かあれば、俺は正気でいられない」
「藤堂さん・・・・・」
「ルルーシュ・・・・・・・」
見つめあう二人。完全に2人の世界に入り込み、周りの人間など全く目に入っていないようだ。
騎士団にとっては見慣れた光景だが、いい加減胸焼けがする。
あまりに甘い空気にくらくらとする中、卜部が小さく口を挟んだ。
「・・・・・・・お邪魔してすいませんがお二人とも、そろそろ時間ですぜ?」
「む、もうそんな時間か」
「ホントだ・・・・・」
卜部の言葉にようやく現実を思い出したのだろう、時計を見て驚く二人。しかもとても悲しげで、悲壮感が漂っている。そんな二人の様子に頭を痛めながら、卜部はポツリと呟いた。
「・・・・・・・・・名残惜しいのは分かりますけど、たった3日でしょう?」
卜部の言葉に、藤堂とルルーシュはきっと顔を上げると非難の声を上げた。
「何を言うんだ卜部!! その3日がどれほど大切か、お前は分らないのか?!」
「そうですよ!! 本当は、1日だって離れたくないのに・・・・・!!」
お互いの言葉に、はっとする二人。そして再び瞳を見つめ、手を握り合う。
「ルルーシュ・・・・」
「藤堂さん・・・・・」
「・・・・・・・・・お熱いのは分りましたから、さっさと行って下さい」
じと目で二人を見ながら、卜部は諦めたように呟いたのだった。
藤堂がキョウトからの要請でしぶしぶと騎士団を出発してから数時間後、卜部はルルーシュを探してアジトの中を歩き回っていた。
「おーい、ルルーシュ君?」
きょろきょろと辺りを探す卜部。一体どこに行ったのか、姿が見えない。
まずいなと、卜部は頭をぽりぽりと掻く。
自分が騎士団に残ったのはルルーシュの護衛の為。
藤堂とルルーシュが交際をしていることは殆どの団員が知っている。しかし、それでもルルーシュの美貌は危険なのだ。藤堂と付き合っていると知って尚、ルルーシュを狙う輩は絶えない。その為、ルルーシュの周りには常に藤堂か四聖剣の誰かが護衛として傍にいるという暗黙のルールが出来ている。今回も、本来ならキョウトには四聖剣全員がついて行くべきだったのだが、それではルルーシュを護る人間が居なくなってしまう。その為、卜部が護衛として騎士団に残ったのだ。
―――もっとも、藤堂自らが残ると言って聞かなかったのを無理矢理諌めたのだが。
ゼロの代理として、軍事責任者である藤堂が行かねばならないのに、本人はルルーシュと離れるのは御免だと突っぱねた。それを説得するのがどんなに大変だったことか―――!!
危うく苦い思い出が甦りそうになった卜部は頭を振り思考を入れ替える。
今更、あんな記憶は思い出したくは無い。
気持ちを新たにし、卜部はルルーシュを探すために再び歩き始めた。
「おっかしぃなぁ〜。ホント、どこ行っちまったんだ?」
倉庫を歩きながら、ぽりぽりと頭を掻く卜部。ここまで探していないとは、一体どういうことだろう。
と、卜部の耳が何かを捉えた。
「―、―――!!!」
聞こえてきたのは微かな悲鳴と、物が倒れる音。
「?! まさかっ!!」
その音に、卜部は青ざめ駆け出した。最悪の展開が、胸を過る。
倉庫、積み上げられたコンテナの裏で、男が3人がかりで一人の少年を押さえつけていた。
「おい、そっち押さえてろよ!!」
「分かってるって、そっちこそ離すんじゃねえぞ!!」
暴れる少年。しかし、非力な少年では押さえつける腕を跳ね除けることは出来ない。
肌蹴られる服。そして口の中に何か錠剤のような物を入れられ、コクリと、咽が鳴った。
少年が錠剤を飲み干したことを確認し、男達が厭らしい笑みを浮かべたその時―――
「おいっ!! 何してる!!」
卜部の怒声が、辺りに木霊した。
「?! まずいっ・・・!!」
現われた卜部の姿に、焦る男達。何とか動き出そうとするが、それよりも卜部の行動の方が早かった。
「――――?! お前らっ!!」
男達が何をしているかを見て、卜部は目を見開き怒気を露にした。
そして手直に居た男を引っ張り上げ、鳩尾に強烈な一撃を打ち込む。
「がはっ!!」
細身だが、鍛えられた軍人である卜部の拳は重い。殴られた男は短い悲鳴を上げてずるずると崩れ落ちた。
その様を見て、二人の男は青褪める。
「ちぃっ・・・!!」
「くそ・・・・・っ!」
慌てて立ち上がり、逃げ出そうとする。しかし、それを逃がしてやるほど甘くは無い。
「逃がすかよ!!」
「ぐっ!!」
「ごふっ・・・・!!」
立て続けに、二人の男に拳と蹴りをお見舞いする。その痛みに、男達はあっけなく床に崩れ落ちた。
男達が気絶したことを確認すると、卜部は慌てて床に横たわったままの少年の下に駆け寄った。
「大丈夫か?! ルルーシュ君!!」
「・・・・っ・・・・あぁ・・・・」
ルルーシュはゆっくりと起き上がり、肌蹴られた服を必死に抑える。
「身体は平気か?」
ルルーシュに手を貸しながら、卜部は少年の身体に目を走らせる。服は乱されているが、特に怪我や何かされた形跡は無い。ほっと、卜部は人知れずため息をつく。
しかし、ルルーシュは青い顔で卜部に告げた。
「多分・・・けど、何か飲まされて・・・・・」
「何だって?」
ルルーシュの言葉に、卜部は目を見開く。そして床に転がった一つのビンを見つけた。
「――――?! まさかあいつら、これを飲ませやがったのか?!」
大声を上げる卜部に、ルルーシュはコクリと頷く。
その様子に、ちっ、と卜部は舌打ちする。その小瓶には見覚えがあった。
「とりあえず、部屋に行くか」
歩けるか?
しかし何時までもここに居るわけには行けない。伸びた男達は他の団員に任せ、卜部はルルーシュに手を貸しながら部屋に向かい歩き始めた。
「・・・・っぅ・・・・」
部屋につくと、ルルーシュはドサリとソファに座り込んだ。その頬は赤く、息は荒い。その様子を心配そうに見ながら、卜部は口を開いた。
「大丈夫か?」
「平気っ、だ・・・・」
卜部の言葉に、ルルーシュは気丈な返事を返す。
だが本当は、平気ではない。さっきからどくどくと心音が激しく脈打ち、身体が熱い。
まるで熱が出ているようだ。頭がぽーっとし、考えが纏まらない。それだけでなく、何だか身体がむず痒く下肢に熱が篭もりそうになる。耐えるように両手で自分の身体を抱きしめるルルーシュを、卜部は痛ましげに見つめた。
「・・・・・無理すんな。あれを飲まされたんだ。辛いはずだろう」
「あれって・・・・知っているのか・・・?」
「・・・・・あぁ。まぁな」
見つめてくるルルーシュの瞳に、卜部はため息をつきながら答えた。
「あれはかなり強力な、媚薬だ」
「び、やく・・・・?」
卜部の言葉に、ルルーシュは瞠目する。
では、この疼く身体は―――――
「軍に居たころ出回っててな。効くまでに時間はかかるが、意識を混濁させる上に強力で、一度飲んだら一晩は効果が抜けないはずだ」
驚くルルーシュに、卜部は自分の知っている情報を口にする。
「そんな・・・・」
しかし、与えられた事実にルルーシュは呆然と目を見開いた。
藤堂はキョウトに行っている。帰ってくるのは3日後だ。恋人が居ない中一晩もこの熱に耐えなくてはならないのかと、震えるルルーシュ。
その様子を見ながら、卜部は立ち上がった。
「とりあえず、水を汲んでくるわ」
「あぁ・・・・」
キッチンへと移動した卜部は、コップに水を汲みながら携帯を手に取った。
少しのコール音の後、電話が繋がった。
「もしもし?」
『卜部か・・・何かあったのか?』
電話の相手は、キョウトへ行っているルルーシュの恋人、藤堂だった。
「えぇまぁ・・・ところで中佐、何とか今日中に帰って来れませんかね?」
『今日中に・・・・?』
言葉を濁す卜部に何か不穏な空気を感じ取ったのだろう。藤堂は逡巡するように黙り込む。
『・・・・今から帰っても、そちらに着くのは明け方か・・・・』
暫くして、藤堂は考え込みながら呟いた。
「そうっすか・・・・」
藤堂の言葉に落胆する卜部。正直、厳しい。
明け方まで後6時間以上ある。
あのクスリは強力で、熱を吐き出さずにはいられないはずだ。それなのにそんな何時間も、ルルーシュが耐えられるわけが無い。
重苦しい卜部の感情が伝わってしまったのだろう。藤堂は口を開いた。
『いや、今すぐ此方を出よう。ルルーシュに、何かあったんだろう?』
「まぁ・・・・」
藤堂の言葉に、卜部は言葉を濁す。この場でルルーシュの状態を伝えても、藤堂をただ混乱させ怒りを煽るだけでしかない。黙り込む卜部に、藤堂は重い声で答えた。
『・・・・・すぐ戻る。ルルーシュには、明け方には戻ると伝えてくれ』
「了解です」
ピッという機械音と共に、電話は途切れた。藤堂は本当に帰ってくるだろう。しかし、時間がかかり過ぎる。
如何したものかと、卜部はため息をつく。
水の入ったコップを手に取り、ルルーシュの待つ部屋へと戻る。
そこには、先程より顔を赤らめたルルーシュの姿。大分媚薬が効いてきたらしい。
「すまねぇ。どんなに早くても、中佐が帰ってこれるのは朝になるらしい」
水を手渡しながらルルーシュに告げる。
「・・・・っはぁ・・・ええ、わかって、ます・・・・っ・・・・」
「・・・・大丈夫か?」
気丈に振舞ってはいるが、もう限界なのだろう。その表情を見て、卜部は心配そうに声をかけた。
「・・・・っ・・・・俺は・・・・!!」
ぎゅっと自身を抱きしめながら熱に耐えるルルーシュ。
瞳を潤ませ頬を紅潮させるルルーシュに、卜部は心を決めた。
・・・・・えへっ
とりあえず前編です。次回から卜ルル裏になります〜♪
って、藤ルル前提卜ルルですけど、藤ルル←卜部って感じですかねぇ・・・・?
かっこいい卜部さんが書きたいのに、難しいです・・・・・
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