CP小説

□甘いお菓子にTrick or treat♪
1ページ/2ページ

※瑠衣さんに捧ぐ
※藤堂さんにはゼロバレ済み
※ルルの性別はお任せします!(ぉぃ)









『甘いお菓子にTrick or treat♪』





 今日の黒の騎士団はどことなく浮き足立っていた。
そこらかしこから、甘い匂いと笑い声・・・絶叫。

 そのことにラウンジに足を向けていたゼロは仮面をした顔を横に傾ける。
一体何事かと思いながらラウンジに入った瞬間、


別世界が広がっていた。


「・・・・・なんだ、コレは・・・・・。」
「あ!ゼロ!!すみません、すぐに片付けますから!!」


 いつもなら綺麗に片付けられているラウンジに、大小さまざまかぼちゃが転がり、そのかぼちゃ達にはパーツは同じ顔の作りなのに、それぞれ違う表情を浮かべている。


「カレン、一体何事だ?」
「それが・・・」
「なにって、今日はハロウィンじゃねーか!
いっつもギスギスし通しじゃ、気が滅入っちまうだろ?」
「とは言っても、それを理由に大騒ぎする訳にはいかないだろう?
だからせめて形だけでもやろうって事になって。」
「・・・かぼちゃのランプということか。」


 思わず口篭るカレンを尻目に、いつもの調子で騒ぎの理由を楽しそうに話す玉城。
何時もは圧されつつも反対するであろう副リーダーの扇も、最近の騎士団の雰囲気を見て少しだけならと黙認していたようだ。
苦笑しながら、「駄目かい?」と聞いてくる。


「これ以上の騒ぎにならなければいい。
私も最近の雰囲気をどうにかしようと思っていたからな、これで気が晴れるのなら許可しよう。」
「あ、あの・・・いいん、ですか?」
「ああ、構わない。カレン、君も楽しめばいい。」
「はい!!」
「・・・それと扇、後で藤堂に私の部屋に来いと言っておいてくれないか?」
「わかった。」


 扇に伝言を頼んだ後、早々に自らの私室に引っ込んだゼロは仮面を取りながら「それでか・・・」と呟く。


「作ったお菓子を渡した瞬間に、妙に悔しそうな顔をしたのは。・・・大方、俺が忘れているのを見越してイタズラをしようと狙っていたなミレイは。」


机に仮面を置きながら、騎士団に行くために生徒会の仕事を欠席する事をミレイに伝えた時の事をルルーシュは思い出していた。
機嫌を悪くしたミレイに、偶然作ったお菓子を渡すと酷く驚いた顔をした後、


「ちっ!命拾いしたわね、ルルちゃん。
これじゃあイタズラできないじゃない!!」
「はっ?」


なんてやり取りがあったのだ。
すっかり忘れていたが今日はハロウィンなのだ、あの祭り好きのミレイが見逃すはずが無い。

・・・そう言えば、朝食のデザートを出した時ナナリーもどこか残念そうにしていたような? 


「ハロウィンならば納得いく・・・」
「思い出したか?ならばイタズラされたくなかったら、私にピザを寄越せ。」
「ピザは菓子ではない。・・・今からかぼちゃプリンを作るから、それで満足しろ。」


 背後のソファーでチーズ君を胸に抱き、寝っころがりながらルルーシュを小馬鹿にしながらピザを要求するC.C.。
相変わらずのピザ好きに溜息をつく。


「どうせあの男のついでだろう?私は菓子より、ピザが食べたい。

・・・くれないのならイタズラするぞ?」
「馬鹿を言うんじゃない。」
「・・・そういえばルルーシュ、




コンコン

「ゼロ、俺だが入ってもいいか?」
「ああ。」

シュン

「ゼ、ルルーシュ君?」
「藤堂さん、もう直ぐなんで座っていてください。」


 扇からの伝言を聞き、上司であり恋人であるゼロのルルーシュの私室を訪れた藤堂。
だが部屋で出迎えたルルーシュの姿に驚く事になった。

 普段からルルーシュは何事に対してもきっちりしていた。
特に騎士団にいる間は、私室にいてもなかなか警戒感が解けずにいる。
その為、仮面は取ってもそのままの姿なのだがそれがどうだ。

 目の前にいるルルーシュの格好は・・・


「今、お茶を入れますね?」
「ああ。」


マントや手袋を取り、首元を隠すスカーフも取って白い鎖骨がチラチラ見え隠れするほど襟元を寛げていたのだ。
その事に藤堂は首を傾げる。


「(どうしたんだ行き成り?・・・それにしても相変わらず美味しそうな胸元だ。)」


まじめに悩んだかと思いきや、しっかり別方向に思考を向け始めたのを鈍感なルルーシュは感知できず、にこにこ笑いながらお盆にお茶と出来上がったかぼちゃプリンを持って戻ってくる。


「今日はハロウィンなので、かぼちゃプリンにしてみました。
甘さ控えめなんで、藤堂さんでも食べやすいと思うんですが・・・」
「頂こう。・・・そうか、それで今日幹部達が紅月君にお菓子を上げていたのか。」


ラウンジに行った際の、かぼちゃランプに囲まれながら幹部連中がカレンにお菓子を上げていた理由が分かった。
 ハロウィンは子供にお菓子をあげるイベントとして、それなりに占領される前から行われていた。

 日本奪還の為にエースとして活躍しようとも、カレンがまだまだ子供に変わりなく、元教師の扇を中心にカレンを甘やかしていたのだろう。


「それで藤堂さん。」
「ん?ああ、すまない。なんだルルーシュ君?」
「藤堂さん・・・、Trick or treat!!お菓子をくれないとイタズラしちゃいますよ?」
「ルルーシュ君?!」


 回想していた藤堂に、ルルーシュによって思いもかけない言葉を投下される。
固まる藤堂にルルーシュはさらに畳み掛ける。


「俺はかぼちゃプリンをあげたんですよ?・・・俺だって大人から貰える年なんですよ?」
「あ・・・、い、いやしかし。生憎俺はもって」
「だったらイタズラするだけです。」


 おろおろする藤堂に、ルルーシュは微かに顔を赤らめながら藤堂の膝に乗り上げ、驚く藤堂の首に腕を回しなんとルルーシュからキスをしてきたのだ!!
それに驚き固まる藤堂にさらに衝撃が襲う。

キスを止めた唇をそのまま横に流し、辿り着いた耳を軽く噛んだのだ。

そう認知した瞬間、藤堂の意識はどこかに遠のいていった。


「はい、イタズラ終了です。・・・お茶冷めてしまいますよ。」


 耳まで真っ赤にしながら、ルルーシュは何でもない様に装いながら作ったプリンに手を伸ばす。
初心なルルーシュが何故こんな大胆なことをしたのか?

その原因はC.C.であった。


『お前、藤堂にちゃんとサービスしているか?』
『サービス?なんのだ。』
『夜の。』
『夜?・・・・・・・っ?!////////』
『鈍ちんのお前でも気づいたようだな。』
『お、おまっ!なんてこと言うんだっ!!』
『初心もいいが、いつまでもそんなんじゃ藤堂に飽きられるぞ?』
『!!なんだと!』
『いつも藤堂のリードにばかり頼りきりだと、マンネリの元だぞ?
どうだ?どうせあの朴念仁のことだ、ハロウィンなんてもの気にもしていないだろう。

・・・それでだ。お前はどう足掻いてもまだ未成年、菓子強請れる年だ。
それを理由に菓子を強請り、菓子を持っていない藤堂にイタズラと称して少しばかり積極的になればいい。』
『・・・どうしろというんだ?』
『お前からキスして、耳にでも軽く噛み付いてやれ。』
『◎+×*?☆!』
『偶にはお前から動かんと申し訳なくないか?』


かくして、ルルーシュはC.C.の口車に乗る事になったのだった。



 いまだ頬を赤くしながらプリンを食べるその様子を眺めながら、藤堂は少しずつ思考回路を回し始める。

結果・・・


「ルルーシュ君・・・」
「ほぇあっ!!・・・藤堂さん、なにするんですか!!プリンが胸元に落ちゃったじゃないですか!!」


 何を思ったのか(鈍感なルルーシュ以外はきっと分かるが)、藤堂がプリンを食べかけていたルルーシュを突然抱き寄せる。
そのまま行き成り深いキスをして、ルルーシュの苦情を飲み込む。


「〜〜〜〜〜!!」
「・・・そうだな、折角のお菓子だ。ありがたく頂くよ、ルルーシュ君」
「??とぉど、っさん?それなら、」
「こんなに白くて甘そうなんだ、さぞかし美味いんだろうな君は?」
「?!俺は菓子じゃ!!」
「菓子だろう?プリンでデコレーションした・・・・」
「っひゃぁん!!」


 スプーンから零れ、ルルーシュの胸元に落ちたプリンを舐め取りながら。
藤堂はルルーシュの服をするする剥ぎ取っていく。
与えられる快楽に震えながら、ルルーシュはなんとか藤堂から逃げようとプリンを持ちつつ身を捩る、が。


「あ!」


 唐突に下肢に触れられ、体をビクつかせた為残りのプリンを誤まって全て肌蹴た自分の胸に落としてしまう。
それを見た藤堂は愉快そうに眼を細め、肌を滑るプリンを舐め広げるように貪っていく。


「っぁ、ぅん・・・・やぁ、藤堂、さぁあん。」
「『Trick or treat』お菓子をくれないとイタズラするぞ?

・・・・イタズラされたくなかったら、大人しく菓子を食べさせる事だ。」
「〜〜〜〜〜////俺は菓子じゃないです!!」


お菓子と言われ、真っ赤になりながら否定するルルーシュに藤堂はそれは面白そうに笑いかけた。






「君はお菓子だよ。


・・・・とびきり甘くて、極上の、な?」






後に残るのは、甘い空気のみだった。












その頃の原因



「ふん、ルルーシュのヤツ今頃あの男に食われているだろうな。
素直にピザを寄越せば私にイタズラされずに済んだだろうに、馬鹿な奴め。」



ハロウィンの日の魔女のイタズラは、性質が悪いようだ。






.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ