BOF部屋

□拾われた日
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「金目のものを大人しく差し出すなら命まではとらねぇよ。」
フードを被った虎人の男は人質の僕に刀を突きつけてきた。
それを見た男は僕を置き去りにして走って一目散に逃げた。
後には固まっている僕と唖然としている虎人の男がいた。
「あれ……お前の親じゃねぇのか?」
「拾ってくれた商人の人。本当は人買いだと思うけど。」
あっさりと僕はそう言った。
そうすると虎人はこれが初めての経験ではなく慣れていることだとすぐにわかったようだ。
頬をボリボリと二回かくと虎人の男は訪ねてきた。
「お前、名前は?」
「ティーポ」
「ふぅん……。仕方ねぇ、出会ったのも何かだ。俺が拾ってやるよ。」
「そう……ありがとう。」
どうせまた捨てたり、売ったりするんでしょう?
無表情にそういい放った僕に虎人の男はやれやれと言った様子で言った。
「愉快だねぇ………。」
雨が降りだしたから僕は虎人の男に腕を引かれて走った。

ねぇ?名前ぐらい教えてよ。

少し何処か抜けてて面白かった。
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