女体化部屋

□醜いものでもするものよ
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戦もなく平和な上田を上田城城主である真田源二郎幸村は歩いていた。
佐璃が任務でいないと聞いて気晴らしに茶屋に行こうと歩いている時だった。
不意に何処か聞き覚えのある声が聞こえた。
「いやですわ、御武家様ったら〜」
「よいではないか真可愛らしゅうに。」
黒い髪の美しい女子だった。
だが幸村は彼女の正体に気付いていた。
(佐璃………!!)
彼女こそ猿飛佐璃。
真田忍隊の長にして幸村の最愛なる恋人だった。



〜醜いものでもするものよ〜



(あぁぁぁもうっ!離してよ!)
心の中でそう言って明らかに見て取れるいやらしい視線。
この男が自分に欲情しているのはよくわかった。
(はぁ……。今回はこんなことせずに済んだと思ったのに……。)
もう情報は聞き出し、後は逃げ出すだけだったが偉い武家の者に捕まった。
術で変えた髪と瞳以外は自分の物で旦那以外にはなるべくなら触れては欲しくなかった。
佐璃は諦めるしかなかった。
(ごめんね…………ダンナ……。)
佐璃が表情には出さずに心の中で謝った。ごめんね、ダンナ……。
もう一度心の中で謝ったその時に腕を引かれて後ろに倒れると思ったら暖かい体温に包まれた。
「悪いがこの女子は渡せぬ。」
幸村だった。
「ダッ!ゆ、幸村さま………。」
「こ、これは真田様………。」
幸村は男を一睨みするとそのまま佐璃の腕を引いて元来た道を戻った。
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