長編部屋

□武田家の血縁
1ページ/3ページ

まだ、私が弁丸様に仕え始めた頃の事だった。
昌幸様がお館様のところに弁丸様を連れて行くって言うから私も護衛で影からついていったんだけど、お館様と昌幸様とのお話しが終わったあと何故かお館様の後ろにいた武田勝頼様に名前呼ばれたんだよね。
まぁ、呼ばれちゃったんなら出ていかないといけないから昌幸様や弁丸様の後ろに膝ついて天井裏から降りたら立ってこっちに勝頼様が来て頭撫でられたんだ。
最初は固まって項垂れたままだったんだけど面を上げろって言われて勢いよく上げたら顔を両手で挟まれて笑顔でさ。
「猿飛佐璃………弁丸様を、真田家を頼むぞ」
って言われたんだよね。
不思議だったよ。
なんで一介のくノ一ここまでするんだろうってね。
その後も旦那について行って武田家に幾度に勝頼様に会うたびに頭撫でられて一言下さるんだ。

大将に聞いてもはぐらかせられるし、なんでかなー?と思ってたら、それが長篠の戦いの後日つまり今日で分かったんだよ。

お館様に聞いて、ね。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ