小説

□教えて!桂さん
1ページ/2ページ


神楽はいつも行く団子屋の若旦那が気になっている。
かっこいいだけじゃない。神楽がガラの悪い天人にぶつかって、謝らずそのまま立ち去ろうとする彼等を見て、「お前、どこ見て歩いてるアル。謝れヨ」とまるでチンピラのように絡んでいた。

「何だとコラァ〜!!」 意気がる輩。     「おい、お前。謝るのが筋だ。この娘さんに謝んなよ。」      誰かと思えば団子屋の若旦那。
「女の前でいい格好しやがって」
と殴りかかるチンピラ天人を軽々とあしらって倒してしまった。
「気を付けなよ、万事屋のお嬢さん、じゃあ」
と急ぐように行ってしまった。
なんだかありふれたシチュエーションだが、実際に助けられると感無量。
(アイツ、団子作るだけの奴じゃないネ。格好いいし、いつも真面目に働いてるし、私のこと助けてくれたアル・・・・)
なかなか男に厳しい神楽でも、団子屋を気に入ってしまった。

(どうやったら団子屋とデートできるネ・・) 神楽は周りに相談出来る人を探す。
(今、恋が叶ってる人に聞けばいいアル!)
銀時と桂は神楽から見てもいい仲だ。
(銀ちゃんは絶対はぐらかすネ。ヅラに聞いてみるネ)

ある日、ヅラが珍しく万事屋を訪れたので、早速聞いてみた。
「オイ、ヅラ、どうやったら気になる相手にデートに誘ってもらえるアルか?」
「え、神楽ちゃん、恋でもしたの?」     新八が尋ねる。    「うっせえ駄眼鏡お前は黙ってろヨ」     「駄眼鏡って何だーー!!」         「まあまあ新八君も」 そこから桂は銀時に聞かれないように小声で話した。銀時にお前、そんな事気を付けてたの?と言われるのはこちらの手のうちを見られるようで恥ずかしすぎる。    「まあ、外見は大事だぞ。それからあんまりジロジロ見ない事だ。しゃべり過ぎるのも良くない。話は自分から切り上げるのが良いだろうな。要は、相手にもっと知りたいと思わせることだ」
「へぇ〜〜さすがヅラネ!そうだ、今日新しい洋服買いに行くの、ヅラ付き合うネ!」
「あぁ、俺は構わんが・・・」
今日は銀時と約束をしている。チラ、と銀時の方を見やると「行って来い」という顔をした。
「よし、リーダー、俺がリーダーに似合う着物を選んでやろう」
二人は仲良く万事屋を後にした。


「リーダーは色白だから赤や薄い紫なんかも似合うな。この桜色のはどうだ?」
「高いネ。貧乏なワタシには無理ヨ」
「心配ない。今日は俺が持つ」
「本当アルか?!ヅラ、じゃ、この桜色がいいアル!」
女の子にはやはり桜色が似合う。
綺麗な桜色で小花をあしらった着物を買った。
「あとは笑顔を絶やさずにな。」
「色々難しいけど、ワタシ頑張るネ」

夕方、やっと二人は万事屋に帰って来た。
「銀ちゃんやったネ!!ヅラにこの着物買ってもらったアル!」
「あ〜〜良かったな。礼言っとけ」




その後何度か、桂は桜色の着物を来て嬉しそうに団子屋と歩く神楽の姿をみかけたのだった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ