白夜・企画
□天下の女装コンテスト 《後半戦》
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後夜祭で繰り広げられる女装コンテスト。すでに四組が出し物を終えている。残る三組は誰が出るのか。
休憩開始から十分後。
「どうにか掃除も終わったようだ。では続きを始めよう。審査員の諸君、現在までの感想はいかがかね?」
「よく自分の特性を考えながら、上手に化けてるわ。優劣付けがたいわね。」
「…コメントしたくねぇ。」
「れんしゅうのせいかがみえますね。いずれがかとうとうなずけます。」
「なるほど。では、五組目いってみようか。」
PRに出てきたのは秀吉。その瞬間、一人残らず次の女装が誰か分かった。
「PRを。」
「うむ。我が友をあなどるな。力の全てを注いでいる。勝ちは揺るがぬだろう。」
これがスポーツ大会か何かなら最高のPRなのだが、いかにせん女装コンテスト。もったいない。
「では入場していただこう。―――竹中半兵衛!」
一同やっぱりなと思うと同時に、期待も高まる。元々半兵衛は女と間違う顔。何で登場するのか。
コッ!
ヒールの音をさせて登場した半兵衛は、まさかのナースだ。それだけで多くの男は笑顔のままに倒れていく。服は純白、帽子もストッキングも髪も白。正に白衣の天使だ。顔はピンクのチークで全体をぼかし、明るいイメージ。そして眼鏡は半兵衛の私物である紫の眼鏡ではなくピンクの女物だ。
「半兵衛殿も…、破廉恥!」
「旦那、顔赤いよ?…あたしが見てあげよっか?」
「某で遊ぶな、佐助ェ!」
半兵衛はどうも、といいながら爽やかな笑みで応えている。秀吉は動じない。さすが覇王。