BLEACH
□やっぱり本物!
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ある日の昼間、学校は休みで珍しく他に誰もいない家で、日頃昼夜を問わずやってくる虚のためになっていた睡眠不足を解消しようと一護は昼寝をしていた。
しかし、その平穏をぶち破るかのように窓が突然開かれた。
すわ虚が現れたのかと慌てて起きた一護の目に入ってきたのは、何やらニコニコと笑っている浦原の姿だった。
「…浦原さん…?」
「お休みのところスイマセン。ちょっと一護サンにお願いがあって来たんスよ」
「お願い…?」
浦原の言葉を聞いて一護は眉根を寄せた。
あの浦原がこんなに笑いながら言うことだ、はっきり言って悪い予感しかしない。
「ええ。とっても簡単なことっス。これを膨らませてください」
これ、と言って取りだしたのは、何やら黒っぽい物体。
膨らませる…ということは、風船なのだろうか。
「何で俺が。膨らませるくらいなら浦原さんが自分でやればいいじゃねぇか」
「一護サンにやっていただかないと意味がないんスよぉ」
さ、早く、と言って黒い物体を押し付けてくる浦原の勢いに負けるように、一護は思わずそれを受取ってしまっていた。
そして、受け取ってしまったからにはやらねばならないのだろう。
「……これ、膨らませても俺には害がねぇんだよな?」
「えぇ。もちろんです」
それならば、と一護は決心してそれに息を吹き込んだ――――と。
その途端急にそれが膨らみ、形作ったのは、
「…俺!?」
そう、それは一護と寸分たがわぬ形をしていたのだ。
「いったい何なんだよ、これ!?」
「携帯義骸っス。アタシが発明したんスよぉ。いやー、それにしてもやっぱり一護サンはかわいらしいっスねぇ」
一護は、ありがとうございました、そう言ってその携帯義骸を持って立ち去ろうとする浦原の襟首を掴んで制止した。
「…ちょっと待て」
「? 何スか?」
「何スかじゃねぇよ。持ち帰ってそれどうする気だよ」
「どうするって、眺めて愛でたり抱きしめて癒されたり……あぁっ!!」
浦原の言葉が終わる前に、一護は素早く死神化し斬月でそれを切り捨てた。
そして携帯義骸ver.一護は爆発して霧散した。
「何するんスか!!?」
「うるせぇ!たとえ義骸だからってそんな気色悪ぃことやらせてたまるか!」
「うぅ…一護サンのいけず…」
そうは言うもののかなり落ち込んでいる風な浦原を見て、一護はふぅとため息をついてから、小さな声で、
「…そ、それに、ここに本物がいるのに…義骸なんか、つ、使うなよなっ!」
「一護サン!!」
そう言った途端パァーッと明るくなって飛びついて来た浦原を、一護は赤くなった顔で、仕方なさそうに抱きとめたのだった。
<fin.>
あとがき
これ浦原さんが偽の空座町で携帯義骸使った時に思いついたんですよね
何日いや何週間前だって話ですよね(一応12月中だったと思うんですが…
っていうか携帯義骸って結局どういう構造してるんでしょうね?
やっぱり最初から個人個人で違う形なのかな?それとも霊圧とかで区別して別の形になるとか?
アニメしか見てないので結構前に1回出た時に何か説明してたかもしれないけど覚えてない(^o^;
ちなみにタイトルは最後の浦原さんの気持ちです(笑)