NARUTO
□微かなにおい
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「じっちゃん、今日の任務は?」
「あぁ、今日の任務は二人一組で行ってもらう」
「じっちゃん、俺二人一組の任務は……え?」
ほれ、と差し出された書類を見て、ナルトの言葉は途中で止まった。
正確にはそこに記された名前を見て、であるが。
「その者は先に集合場所にいっておる」
その言葉を聞くなりナルトは素早く書類を燃やして部屋を飛び出していった。
残された三代目はやれやれと息をついた。
「他にもやってもらう任務があったのだがのう…」
これは秋穂か瑠葵にでも頼むかのう…そうひとりごちて、三代目はどちらか手の空いている者を呼ぶよう命じた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
部屋を飛び出していったナルトは、集合場所に着いた途端そこに立っていた人影に飛びついた。
「お、っと……ナ…じゃなくて羅刹か」
人影の方は気配も全くなく突然飛びつかれたため少しよろめいたが、踏みとどまって飛びついて来た人物の名前を確認した。
だが、いつもならすぐに返事が返ってくるはずなのに、羅刹――もといナルトは彼の服に顔をうずめたままだった。
「羅刹…?」
「…煙草臭い…」
「は…?」
ぼそっと呟いたナルトはそしてつづいて離れながらもっと大きな声で言った。
「アスマ煙草臭い!!」
「は、っていうか名前…」
さり気に表の名前を叫ばれたアスマは自分の着ていた服をつまんでにおいをかいでみた。
しかし、服からは何のにおいもしない。
だいたいこの服はきちんと消臭済みであるし、おまけに自分もきちんと風呂に入ったから、煙草のにおいなどするはずがないのだ。
それでもナルトは臭い臭いと言っている。
「なぁ羅刹、そんなに臭いか?」
少し困ったようにそう尋ねてみた。
「あぁ。このくらい離れてても微かににおう」
「三代目は何にも言ってこなかったんだけどなぁ」
「アスマお前今日から禁煙!」
「は?ちょ、待ってくれよ羅刹!仮ににおいがしたとして、こんな微かなにおいに気付くのお前くらいだろ」
ナルトは九尾の影響で人より五感が鋭い。
そのためほんのかすかな煙草のにおいに気づいたのだろう。
だがそれだけで煙草をやめさせられてはたまったもんじゃない。
任務中なら長期間の我慢もできるが、そうでないときに煙草禁止など考えただけでぞっとする。
「でも万が一ってことがあるだろ!忍犬だっているんだし!!」
「それはまぁそうだけどな…」
「…アスマに死んでほしくないんだよ…」
「ナルト…」
珍しくしおらしげなナルトにアスマはうっかりほだされかけた。
が、ここで負けたら地獄の禁煙生活が待っている。
そう思い直してアスマはナルトの説得にかかったのだった。
…―そのあと、任務もせずにナルトを説得すること数時間。
空が白み始めた頃ようやくにおいの少ないタバコに変えることで折り合いがつき、忘れていた任務を思い出し慌てて任務地に向かう2人なのであった。
<fin.>
あとがき
何か思いの外長くなったっていうか終わり方が分からなくなったっていうか←
とりあえず煙草臭いっていうのとアスマの心配するナルトが書きたかっただけだったっていう
でもアスマの口調がよく分からなかった(爆)(←単行本見ろよ
相変わらずタイトルセンスのない自分orz