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□応募者様全員に漏れなく頭が真っ白になる衝撃を差し上げます
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「嘘だろ…」


「嘘よね…一護…?」


「そんな…一護君…」


「マジかよ…」


「一護、お前…」


「一護…!」


その場の視線を一身に集めたあなたは、白い着物を身に纏い、薄ら笑みながら、その場に佇んでいました。










◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆










十数分前、対破面のために現世に来ていた日番谷先遣隊と朽木ルキア、そして死神代行黒崎一護は、揃ってある気配を感じ取った。


それは、以前にも感じたことのある、破面――グリムジョー・ジャガージャックとウルキオラ・シファーのものだった。


幸か不幸か2人は同じ場所に出現しており、死神化した面々がその場に向かうと、2人は待ちくたびれたとでも言うようにその場に佇んでいた。


「何をしにきた…」


死神たちが刀を抜き警戒しているのに比べて、破面たちは警戒するどころかまったくの自然体で立っている。


それが、彼らと自分たちとの力の差を見せつけられているようで、悔しくもあり苛々する。


「我等が王を迎えに」


「王…だと?現世にお前らの王がいるのか!?」


一度目の問いには答え、しかし二度目の問いには何かを待つように口をつぐんだ。


「おい…」


痺れを切らした日番谷が口を開こうとした時、影が一つ動いた。


影はそのまま破面に向かっていく。


その手に刀はない。


「一護…!?」


得物も持たずに向かっていく一護に焦ったような声がかかる。


だが、一護はそれに構わず破面たちの前で立ち止まる。


それまで破面たちが攻撃を仕掛けてこなかったことにも驚いていたが、続く破面たちの行動に、さらに度肝を抜かされる。


何を思ったのか彼らは一護の前で跪き自らの刀を捧げたのだ。


後ろで驚いている死神たちを気にも留めず、一護は2人の前に立ったまま微動だにしない。


「惣右介より先に忠誠誓って。後で何言われても知らねえぜ?」


そう言った一護は、いつの間にか真っ白な着物を着ていた。


「構いません。俺が忠誠を誓うのは藍染ではなく一護様ですから」


「俺もだ。俺ら破面が忠誠を誓うのはテメェただ1人だ」


そうか、と苦笑する一護に、刀の柄を差し出した2人はそろって同じ言葉を紡ぐ。


「俺、ウルキオラ・シファーは、」 「俺、グリムジョー・ジャガージャックは、」


『我等が王、黒崎一護様に永久(とこしえ)の忠誠を誓うことをここに誓います』


一護はそれに応え、まずウルキオラの刀を取る。


「俺、虚王黒崎一護はウルキオラ・シファーの忠誠を受け入れる」


そして刀を返し、グリムジョーにも同じことをする。


そうして、2人が刀を鞘に戻し立ち上がったところで、一護は死神たちの方に振り向いた。


彼らは今目の前で起こったことが信じられないといった風な顔をしている。


一護はその様子を楽しそうに見ている。


「一護…何で…何で破面なんかと一緒にいるんだよ!?」


「俺が虚王だから?」


「虚王って…アンタ死神でしょ!?」


「そうだったな」


「一護っ!!」


ふざけたような答え方の一護に思わずルキアが声を上げる。


「貴様は……貴様は、死神であろう?私が力を渡した…」


「あー、そんなこともあったな」


平然とそう言ってのけ、表情をがらりと変える。


「俺はな、死神、お前に力をもらった――いや、力を"奪った"時にはもう虚王の自覚があったんだ。もちろん死神のことも尸魂界のことも虚のことも虚圏のことも知ってた。
 全部承知の上でお前から力を奪ったんだ」


淡々と言う一護。


しかも"ルキア"という固有名詞は使わずに"死神"という言葉を使っている。


「"何で"、そんな顔してるな。…俺は死神が大嫌いなんだよ。昔お袋が虚に殺された時、この地区を担当していた死神は何をしていたと思う?
 ……虚から遠く離れた場所で隠れてたんだよ。そいつは席官とはいっても末席でな。この地区に来るはずだった奴が別の場所で死んで、その代りに送られたらしかった。
 もちろんグランドフィッシャーになんか敵うはずがなかった。そうして俺らのことを見殺しにしたんだ。…おかげで虚王としての自覚はできたがな」


皮肉るような口調でそう締めくくる。


「そんな、ことが…」


呆然とつぶやいた恋次のことは無視して背後のウルキオラに話しかける。


「もういいだろう。虚圏に帰る。入り口を開いてくれ」


「はい」


すぐにウルキオラの脇の空間が裂け、入口が出現する。


「どうぞ」


「ん、ありがと。……お前ら死神どもが騙されてる姿を見るのは楽しかったぜ?二度(ふたたび)俺と出会うことのないように祈ってることだな」


そう捨て置いて一護は空間の裂け目に消えた。


ウルキオラとグリムジョーが後に続き、姿を消した次の瞬間、裂け目もまた、消えた。










数日後、虚圏に絶対のが君臨した。











<fin.>









あとがき


こんなありがちな内容しか思いつきませんでしたorz

オチもなんだか訳が分からなくなっております←

っていうかウルキオラってウルキオラ・シファーでよかった…んですよね?(オイ

ってか"応募者様"関係ねぇ!!←

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