激妄想…
□奏
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「チョン君、悪いけど放課後残ってね〜」
「えっ!?……。」
音楽の授業の時、担当のミヌ先生に呼び止められた。
「あ〜あ〜ピルギョ、可哀想に…ゲーセンはまた今度な〜」
「うん…」
ヒラヒラと手を振って帰って行く友達を見送った。
《何だろ…?》
音楽は好きだ、歌うのも…ミヌ先生のピアノは特に好き!目立つ事はしてないつもりだけど……。
「声楽やってみない?」
おずおずと訪ねた音楽室、先生の第一声、呼び出しておいて顔も見ないで、古いレコードを整理していた。
「…やりません!」
「何で?」
「聴くのはいいけど、歌うのは…ジャンルが違うって言うかっ…。」
先細になってしまう僕の話しに「クスッ」と笑って、目を合わせた。
《あ…っ…。》