小説(長編)
□ラスト・スマイル 第4話
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逃げても、逃げても、追ってくる暗闇に、俺は逃げ切ることが出来るのか?―――
「……也っ!謙也!!」
開けた視界から、朝特有のヒカリが目に染み込んでくる。
「…あれ。。。もぅ朝?」
「…ん、朝や。大丈夫か?起きれるか?」
「ぁ〜、おかん、おはようさん…」
「おん。おはようさん。」
どうして、もぅ朝なんだ?昨日、光と別れた後からの記憶が定まらない。
俺はどぅやって家に帰ってきた?俺は、どぅして普通に寝ていたんだ?
「…謙也?やっぱり体調悪いか?今日は、学校休むか?」
「……ぇ?何で?。。ちゅうか、おかん。俺、昨日どぅやって家に帰ってきた?」
その時、おかんは一瞬、顔を歪ませた。―――ナゼ?―――
「……昨日は、あんたが急に倒れたさかい、千歳くんが送ってくれたわ、お礼言っとき……。」
そう言って、ぎこちない笑顔を浮かべた。
――倒れた?俺が?何故?光と別れたからって、倒れるほど弱くはないと思う。
いつか来ると判っていた終わりだ。前からそろそろかと思っていた。
なら、倒れる訳がないだろう?でも実際に、別れた後の記憶がないんだ……。
ワカラナイ、ワカラナイ。
音がする。次第に大きくなる音。
また、近づいてくる暗闇。そして――声の主
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