World's End
□MISSION 04
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MISSION 05
「チェルシー、ちょっとシキ、借りるね。」
と、ツナヨシに言われたのはここに来てすぐの事。紹介したい人がいるから、と連れていかれた先には数人の黒スーツがいた。
「みんな、待たせてごめん。彼女がさっき話したシキだよ。シキ、この人たちはここに住んでるボンゴレファミリーの一員。」
「初めまして、先日から使用人として働かせていただいています、シキといいます。至らない点も多いかとは思いますが、よろしくお願いします。」
そういって頭を下げれば陽気な声が返ってきた。
「はははっ、礼儀正しいのなー。俺は山本武、こっちこそよろしくな!」
「うむ、極限に山本に同感だなっ!俺は笹川了平だ。シキといったな、分からない事があったら極限に何でも聞けっ!」
「ら、ら、ら、ランボです。えっと、よろしくお願いします。」
「俺達とあと獄寺君とリボーンがここに出入りする主要メンバーかな。本当はあと何人か紹介したかったんだけど、ちょっと都合がつかなくて今日は居ないんだ。」
それぞれの自己紹介が終わって、先日あったリボーン、ゴクデラを含んだ全員個性が強いなと思ったのはまだ記憶に新しい。
そう、記憶に新しいわけだから、あまり時間は経ってないはずなのだが。
「シキさん、こんにちは!俺も手伝います!」
「シキさん、シキさん、後でチェルシーも一緒にお茶しませんか?」
「俺、イタリア語と日本語なら分かりますよ。」
どうやら私は彼に懐かれたらしい。そしてその原因と思われる出来事は彼らを紹介された翌日の事だった。
*****
一通り掃除や洗濯が終わって、買い出しに行ったチェルシーが帰って来るまで、毎度の事ながら書庫に行こうと思ったら、遠くで声がした。それは次第に大きくなって、おまけにバタバタと落ち着きのない足音と共に近づいてきた。このままだと鉢合わせするかもなと思ったら、案の定ドンっと言う音と一緒にぶつかった。
「う、うわぁぁぁぁんっ!」
ぶつかってきた人物は、この前紹介されたランボという少年で、ぶつかった拍子に勢い余って尻餅をついていた。そして、走っていた時以上に声を張り上げて泣いている。
「ごめんなさい、怪我は…」
じゃがんで目線を合わせて問えば、最後まで言い切る前に目に入ったものは切り傷、擦り傷、打撲、そしてなぜか焦げたような跡。いくらマフィアだからといって、こんな子供に怪我をさせてまで何をしたいというのか。
「怪我の手当てを。」
言って、ランボを立ち上がらせて医務室まで連れていった。