翡翠の龍舞

□デートは乙女の華舞台
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透き通る蒼空から爽やかな陽光が降り注いでいる。流れる薫風に新緑が靡き、燕が軽やかに舞っている。
爽やかな初夏の朝、道を歩く二人の美少女の姿があった。
煌めく翡翠のツインテールと瞳と素肌の上から直接着込んだレッド・ブラウンのブレザーとチェック柄のミニスカートにルーズソックスという刺激的な装いの美少女、洛陽学園三年生の呂布奉先は歩みを進めながら半歩下がった位置を歩んでいるオレンジのショートカットとエメラルドグリーンの瞳と呂布と同じブレザー(カッターシャツ着用)とミニスカートに黒いソックスという出で立ちの美少女…洛陽学園二年生の陳宮広台に想いを馳せた。
(……陳宮)
胸中で呟く呂布の表情が柔らかく緩む。
満月(みつづき)の光の下、蛍が舞い、紫陽花の揺れる中、陳宮が必死に告げた想いを受け入れてから、後ろを歩む彼女の存在が愛しく大切になって行く。
歩みを進めていた呂布は何事かを決意した様子で小さく頷くと後ろを進む陳宮に言葉を投げ掛けた。
「ねえ、陳宮…」
「はい、何でしょう呂布様?」
陳宮の返答を受けた呂布は立ち止まると蒼空を見上げつつ口を開いた。
「明日の休み…二人でどこかに出掛けない///」
「……呂布様、それは///」
少し照れ臭そうに告げられた呂布の言葉に対して陳宮が頬を染めながら言葉を返すと呂布は恥ずかしそうに言葉を続けた。
「バカ、デートしよう…って言ってるの///」
「呂布様……はい///」
呂布の言葉を受けた陳宮は耳まで真っ赤になりながら幸せそうに噛み締める様に答えを返した。
その夜
呂布サイド
呂布は自室のベッドに多数の私服を並べながら腕組みをして考え込んでいた。
「これ…かな?……でも、何か違う…だったらこれ?これも何かしっくりこない…」
鏡の前で自身の身体に服を当てては投げ捨てると言う行動を繰り返す呂布の表情は柔らかく緩み、瞳は穏やかな光を放っていた。
陳宮サイド
呂布が私服の山の前で悩んでいる頃、陳宮はファッション雑誌のページを食い入る様に見詰めていた。
「この服は?……でも、もう少し可愛い着方の方が……じゃあ、こっちは?……ちょっと、際ど過ぎるかな///」
そう呟きながらページを捲る陳宮は幸せを噛み締める様に柔らかく微笑んでいた。
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