紅の月

□愛しき月を護る為
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「「どんな運命も二人で切り裂く!!」」
九重ミカと、ルナマリア・ホーク…二人の言葉と共に二人の乗ったガンダム・ノルニエがレクイエムを粉砕し、全地球規模で行われた戦乱に終止符が打たれた。
プラントと地球連合は二度目となる停戦協定を結び世界は再び平穏を取り戻した。
混乱の収拾に尽力したオーブ首長国連邦でも、若き国家元首カガリ・ユラ・アスハの元平穏が回復されていた。
そんなある日…カガリはボディーガードを勤めるアスラン・ザラや高官達と共に宇宙港を訪れていた。
「接近中のシャトルより連絡です。歓迎を感謝致す…との事です…」
オペレーターからの言葉に頷くとカガリは新たな質問を発した。
「護衛のMSは?」
「2機です。映像をモニターに回します。」
言葉と共にモニターにワインレッドに塗装された2機のガンダム・タイプのMSが現れると小さなざわめきが起こる。
「ZGMS−333ガンダム・ノルニエにGAX−333ガンダム・ワルキューレか…」
カガリが少し懐かしそうに呟くとオペレーターに命令した。
「玖我少佐と藤乃少佐に連絡を…シャトルの誘導に当たれ。」
その命令をオペレーターが伝えると即座に返答が返って来た。
「了解した。玖我なつき、アカツキ・シルバー・カスタム…出るぞ!!」
「よお解りました藤乃静留、アカツキ・パープル・カスタム出ますえ…」
その声と共にオーブの象徴とも言うべき機体アカツキ・ガンダムの試作機をカスタマイズした銀色と紫色に輝く2機のガンダムがプラントより派遣された大使を載せたシャトルを宇宙港に誘導する為に発進していった。
宇宙港
カガリとアスランが大使を迎える為にシャトルの所に向かうと調度ノルニエとワルキューレが着陸を完了した所であった。
そしてカガリはその2機の着陸を見詰めているキラ・ヤマトやマリュー・ラミアス、メイリン・ホークと言った面々に気付いた。
「あの時以来だね…」
「……ああ…」
キラの呟きにアスランが答える中ノルニエとワルキューレから降り立った二人のパイロットが談笑しながらキラ達の所にやって来た。
ワインレッドのショートヘアにアメジストの瞳を持つ勝ち気な美少女パイロット、ルナマリア・ホークと彼女の恋人でありブラウンのロングヘアーにエメラルドグリーンの瞳を持つ優しげな美人パイロット九重ミカは楽しげに談笑をしていたがカガリ達を見つけると表情を引き締め敬礼を送る。
カガリも素早く答礼を返すと柔らかな表情になって口を開いた。
「最初は護衛が少ないな…と思ったが二人ならば納得だな、九重さん、ルナマリア…オーブへようこそ…」
カガリが言い終えるとルナマリアの妹のメイリンが怖ず怖ずとルナマリアの所に近付く、様々な情況の変化によって一度は対立していた姉妹は暫く見詰め合った後…。
「連絡位しなさい…」
優しく言いながら頭を軽くポンッと叩いたルナマリアにメイリンが泣きながら抱き着く。
「ごめんね、ごめんね、お姉ちゃん…お姉ちゃんが、お姉ちゃんがどんなに苦しんだかも知らないで…あたし…」
「気にしてないよ、メイリン…だから…ね…」
泣きじゃくるメイリンを優しくあやすルナマリアの横でミカも涙を拭っていた。
泣き止んだメイリンがルナマリアの元を離れると、カガリが二人に言葉をかけて来た。
「あの時は、本当によくやってくれた…礼を言わせてくれ。」
その言葉にミカは恥ずかしそうに俯くと呟く。
「ルナちゃんのお陰です。ルナちゃんが居てくれたから…///」
「そんな事無いよミカ、ミカだから出来たんだよ。」
「そんな事無いよルナちゃんが沢山の勇気と、沢山の優しさをくれたからだよ…私はいつも、ルナちゃんに貰ってばっかりだね///」
「そんな事無いよ、ミカはいつも優しくて、いつでも、あたしを護ってくれてたよ///」
「ルナちゃん///」
「ミカ///」
「お姉ちゃん達…相変わらずだね…」
突然イチャラブモード全開に入ったルナマリアとミカを見詰めて固まった一団の中でメイリンは小さく呟いていた。
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