翡翠の龍舞

□甘く重なる二人の想い
2ページ/10ページ

大切な、本当に大切な存在の陳宮がこんなにも自分を想っていてくれた。
呂布は躊躇う事無く陳宮の想いを受け入れ二人は唇を重ね合いそして今に至る。
呂布は優しく微笑むと陳宮を優しく抱き締め、陳宮は顔を赤くしながら、幸せそうに呂布に寄り添う。
「呂布様///」
噛み締めるように呟く陳宮を抱き締めた呂布は愛する女(ひと)の存在を確かめながら口を陳宮の耳元に近付け囁いた。
「……陳宮、今夜はあたしの部屋に泊まってくれる?」
「呂布様///………畏まりました///」
呂布の言葉を受けた陳宮は耳まで真っ赤になりながら恥ずかしそうに頷き言葉を返した。
呂布マンション
自宅のある高級マンションに到着した呂布は玄関を開け、傍らの陳宮に向けて恥ずかしそうに微笑みながら声をかけた。
「どうぞ、陳宮♪…やだ、陳宮来るの初めてじゃ無いのに…ドキドキする///」
「わ、私もです。呂布様///」
呂布の言葉を受けた陳宮も顔を赤らめながら同意する。
見慣れた部屋の玄関で二人は少しぎこちない様子で靴を脱ぐ。
今まで幾度と無く二人で過ごして来た部屋、だが今までは信頼出来る友人として二人は過ごして来た。
しかし、今夜は些か事情が異なる。
呂布と陳宮は恋人同士としてこの部屋を訪れている。玄関を後にした呂布と陳宮は恋人繋ぎの手を決して離さずにゆったりとしたリビングへと歩を進めた。
「…座ってて陳宮、飲み物持って来るから…」
呂布の言葉を受けた陳宮は小さく頷くと名残惜しげに繋いでいた手をほどくとソファーに腰を降ろし柔らかな背もたれに我が身を沈める。
呂布はそれを確認すると柔らかな表情を浮かべながら頷きキッチンへと足を進めて行き、陳宮は一人リビングに残される形となる。
(何だか変な気分///)
陳宮は落ち着かない様子で見慣れた部屋を見渡して行く。
届く筈が無いと思っていた想いが届きそして共に訪れた想い女(びと)の部屋…見慣れた筈の景色はとても新鮮で陳宮は幸せを噛み締めながら周囲を見渡した。
陳宮がそうしているとジュースの入ったグラスとビスケットの盛られた皿を載せたトレイを手にした呂布が近付いてくると微笑を浮かべながら口を開いた。
「お待たせ、陳宮///」
「ありがとうございます。呂布様///」
呂布は陳宮の返答に頷きながらトレイをテーブルに置くとグラスを手に取り陳宮に手渡した。
「はい、陳宮」
「ありがとうございます。」
陳宮が御礼を言いながらグラスを受け取ると呂布もグラスを手にしながら口を開いた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ