紅の月

□愛しき月を護る為
4ページ/7ページ

別室
カガリはルナマリアを連れて別室に直行した。途中で出会った蒼いロングヘアに眼帯をした美しいメイド…伊達マサムネに何か飲み物を持って来る様に頼むとカガリはルナマリアを椅子に座らせた。
「……すまない…」
カガリは沈痛な面持ちとなりながら頭を下げた。
「あの、馬鹿共がひどい事を言っていた…謝ってすむ事じゃないが…本当にすまない。」
「…………」
カガリの言葉にルナマリアは力無く頷いた。
「待っててくれ、今九重さんを「ミカは………呼ばないで下さい…」
会話をを遮って告げられたルナマリアの言葉にカガリが驚いた表情を浮かべながら口を開いた。
「ど、どうして…」
問い掛ける途中でルナマリアの表情を見たカガリは思わず絶句してしまった。
ルナマリアはアメジストの瞳からぽろぽろと大粒の涙を零していた。
「ヒッ…ヒック…こ、こんな顔ミカに見せたら…ヒッウッ…ど、どれだけ心配かけちゃうか…ヒッ…ウッ…だ、だから…呼ばないで…ヒック…ミカを…よばないでぇ…」
「……分かった…」
ルナマリアに小さく呟くとカガリはルナマリアを優しく抱きしめた。
「ウッウッウアアアッ!!」
ルナマリアはカガリに縋り付き大声で泣いていた。カガリは泣きじゃくるルナマリアを強く抱きしめた。
瞳から静かに涙を流しながらカガリは泣きじゃくるルナマリアを抱きしめていた。
「ヒッ…ウックッ…ウアアアッ!ど、どうして……ミカを…ミカを愛しててるだけなのに…どうしてぇ…」
泣きじゃくるルナマリアの頭をカガリはあやすように優しく撫でていた。
慟哭も漸く収まったルナマリアは泣き腫らした瞳から涙を拭いながら小さく言葉を発した。
「……ごめんなさい…」
「気にしないでいい…」
カガリは優しく呟くと続けた。
「あんな奴らの言葉なんて気にするな…貴女と九重さんはとても素敵な恋人達だよ…私や他の皆だってそう思っているよ」
カガリの言葉にルナマリアは小さく頷いた。カガリはそんルナマリアの様子に安堵の溜息をもらすと口を開いた。
「もう少しここで休んでいるといい九重さんには適当に言い訳しておくから…」
「ありがとうございます…」
ルナマリアの言葉にカガリは軽く微笑みながら頷くと退室して行く入れ代わりの様に入室したマサムネは芳醇な香を放つハーブティーをルナマリアの前に置いた。
「美味しい…」
一口口に含んで思わず呟いた言葉にマサムネは小さく微笑むと頷きながら退室して行った。
ルナマリアは温かなハーブティーをもう一度口に含み噛み締める様に飲み下して行った。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ