翡翠の龍舞

□ガールズ・オブ・ザ・デッド…パンデミック…
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side陳宮・蒙獲組

アクセサリー・ショップ「ヴォータン」

雑居ビルの一フロアに存在する様々な種類の小物が置かれたアクセサリー・ショップ「ヴォータン」の店内は程好い空調が施され、客達は蒸し暑い外と比べると天国の様に涼しく快適な店内を歩きながら目ぼしい小物やアクセサリーを物色していた。
店内を物色する幾人かの客達、その中にアクセサリーを品定めしている一人の美少女の姿があった。
オレンジのショートヘアとエメラルド・グリーンの瞳の美貌にレッドブラウンのブレザーに淡い小豆色の下地にブラウンの格子模様が描かれたミニスカートに包まれたしなやかな肢体が特徴的な美少女、洛陽学園2年生、陳宮公台(ちんきゅうこうだい)は真剣な眼差しで並べられたアクセサリーを見定めていたが、やがて頷きながら銀細工の蝶のブローチを手に取り、細工の造りをもう一度じっくりと確認した後に満足げに頷いた。
「……よう、随分嬉しそうじゃねえか」
陳宮が頷いているとセミロングのヴァイオレットの髪に不敵な煌めきを放つ蒼の瞳のワイルドなラテン系の美貌にグラマラスで引き締まった肢体を惜し気も無く晒す服装の野性味溢れる美少女、南蛮学園3年生の蒙獲(もいかく)が声をかけ、それを受けた陳宮は穏やかな笑みを浮かべて一礼した後に口を開いた。
「お久しぶりです、蒙獲さん、今日はお一人なんですか?」
「まあな……多分お前さんと同じ理由だよ、バカヤロー」
「……そうなんですか」
陳宮の言葉を受けた蒙獲は少し照れ臭そうに言葉を返し、陳宮は穏やかな表情で応じた後にブローチを愛しげに握りながら言葉を重ねた。
「……良かったら探すの手伝いましょうか?」
「……自分で探すよ、バカヤロー……って言いたい所だが、正直こう言う所にはまるで縁が無いんだ、しっかりとアイツに相応しい物を見つけてくれよ、バカヤロー」
陳宮の提案を受けた蒙獲は暫し思案した後にそれを受け入れ、陳宮は頷いた後に蒙獲と共に並べられているアクセサリーの品定めを始めた。
二人は暫くアクセサリーの品定めを行った後に落ち着いたデザインのイヤリングを選び出し、蒙獲は選んだイヤリングのじっくりと確認した後にワイルドな笑みを浮かべながら陳宮に向けて口を開いた。
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