白翼の扉(短編小説)
□どうかしてる。
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任務を終え、部屋に戻ったのは真夜中だった。
遠目に見えた、ドアの前に黒い塊。 何かと思い、ドキッとする。
近付いてみると、座り込み、待ちくたびれて眠ってしまったザックスだった。
「ザッ…。」
声をかけようとして、その場に膝をつき、寝顔を覗き込む。
かわいい。可愛いすぎる!
『じゃっくちゅく〜ん、一体、どうちちゃったんでちゅか〜?』
『待ってたんでちゅね〜。そんなに会いたかったんでちゅか〜?』
脳内では、インナーワールド絶賛展開中。
もう、くちゃくちゃに撫でまわして、弄り倒したい。
泣くまでかわいがりたい。
何だ、この可愛いすぎる生き物は!
俺を骨抜きにして、廃人にでもするつもりか?
いや、魂抜かれるかも…。
だんだん意味わからない考えになってきて。
「プッ…!俺はバカか…どうかしてる…。」
この少しの間に展開された、インナーワールドの馬鹿馬鹿しさに、一人笑う。
ザックスを起こさないように、そっと抱き上げ、部屋に入っていった。
いっそ、どこかに閉じ込めて、俺一人のモノにしてしまおうか。
おわり