NOVEL

□汐華初流乃の優雅な一日
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――朝7時半。


PIPIPIPIPIPIPIPIPIP……

ドギャァン!!(潰れる音)


「うぅ……あぁ、また潰れたか……、無駄なことを…」


中学寮の一室でけたたましい音が聞こえる。
机の上にあった目覚まし時計(原価1000円)が潰れた音と引き換えに無残にも粉々に消え去った。
だが、彼は対象者を起こす事を成功させたので任務には成功だ。

命は崩壊したが。


「7時半……早めに準備しないと朝ごはん盗られますね。」

ジョルノは寝癖でぼさぼさの頭を整えてコロネ頭を作りつつ歯磨きをする。
だが時間がないので後髪の三つ編みは後回しにした。


「ジョルノ・ジョバァーナが来たぞォォォーー!!」
「先に行け、俺はここで奴を食い止める!!限定10セットのモーニングS(スペシャル)セット(代金300円)を早くこの手に!!」
「お前をおいていけるか!!」
「ここで誰かが奴を食い止めなければ被害がさらに広がる!!必ず後で追いつくから早く!!」
「あぁ……だが死ぬな!!生きてモーニングSセットを食べよう!!」
「あぁ!!!」
「さぁ来いジョルノ・ジョバァーナ!!この俺があいt―−」



「朝からぎゃぁぎゃぁと五月蝿いですよ。無駄ですね。(蹴りで一刀両断)


「ぐはぁ!!」


青春メロドラマは魔王の一撃によって敢え無く粉砕された。
ちなみに残った生徒はジョルノに踏まれて全治1週間。
だが彼のような犠牲者が出ても生徒達は魔王に立ち向かう。
自分達の楽園であるモーニングSセットを手に入れる為に!!!
しかし――……


「モーニングSセットをひとつ。」
「あいよー。」


……せっかくの一致団結も魔王ジョルノには通用しない。後ろには燃える塵(月水金)並に消し炭にされた生徒達の塊が。だがまだ息がある。


「無駄な事はしたくないんです……。僕にあまり無駄な事をさせないでください(ほこりを払う)」



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