NOVEL

□夢であるように
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戦争。国の崩壊。
自分は幼い頃にそれを味わった
そして自分の夢である理想国家をつくるために…
そして尊敬し、敬愛する真と二人で…




「う…くそっ、姉上め…よくも俺を封じやがったな…!!」
 カプセルの中から目覚めた俺。目の前には血を分けた唯一の肉親でもある姉上がいる。
――…俺を封じ込めやがった極悪人でもあるがな。やはり俺が自分から真を奪うことを危惧したのか。
「炎様!?お目覚めに!?」
「現郎か…真はどこだ?」
「真は…」
 現郎から聞いた話は長年描いていた俺の理想国家建設の夢を粉々に打ち砕いた。
俺が尊敬している真が俺を捨ててこのどうでもいい12世界に隠居したという。あまりの出来事に俺が項垂れて呆然としていると、やはりショックなのですねと現郎が慰めてくれた。
――…違う!!何故真を引き止めてくれなかったんだ!!お前、奴とは親友だろうが!!現郎め…いつか覚えていろ。

それからというもの、俺はこの宇宙船の管理を現郎に任せ、12世界を一巡りした。あの姉上の事だ。自分と真との子供を俺の夢に利用されるのではないかと思ってどこかにおろしたのだろう。
クックック…見ていろ、姉上。今度こそ俺は誰にも邪魔されない、理想国家を作り上げてみせる!!











・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・いないッ!!

何故だ、俺はこの世界を回ったはずだぞ!?姉上め…実は流産でした、というオチじゃないだろうな…。
だが、この世界のどこかに真の子供はいるッ!!
――…仕方がない。とりあえず、俺の夢のためにも下準備をしておかねば。真の子供はすべての準備が整ってからゆっくり探せばいい。
「・・・・・おいチャラ。」
「なんですか?」
「見かけないメンバーが増えているな。激に雹か。」
「はい。二人ともGSの資格が十分にありますのでこの宇宙船針の塔に…」
 俺は裏口から戻り、すぐさまGCシステムを起動した。ここに来る前に俺が提案していた事を現郎がやっておいてくれたのだろう。
今奴は寝ているが。……くそ、迎えすらこないのかあのアホんたれ。
 今はあの2名に俺が目覚めたことはばれてはいない。……しかし、俺が眠っていたことはばれてはいるが。ちきしょう、姉上め!!何であんな動力部分なんぞに封印しやがったんだ!!














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