Zmain

□過去と現在<いま>と未来の強さと弱さ
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「…ん…」

ふ、と目が覚める。

俺の体はふわふわと宙に浮かんでいるみたい。

辺りを見回すとそこは、深くて暗い闇の中。

「ここ、どこだよ、と…」

手探りで何かを探しても、何も見つからない。

「…誰か…!!」

体中を駆け巡る、恐怖と不安。

―"誰か"っていうのは俺のことか、と?―

「!?」

急に聞こえた、声。

その声は酷く、自分に似ていて

「お前…俺…!?」

声の主は"もう一人の自分"

―そ、お前だぞ、と―

俺の真っ正面に佇む、もう一人の俺。

「何で…!?」

"俺"の前にいる"もう一人の俺"は

口元を三日月みたな形にして、笑みを象る。

でも、その目は…氷みたいに冷たかった。

―何で?はっ、ばっかばかしー…―

「どういう意味だ、と…」

俺はもう一人の俺を睨みつける。

―お前、昔と変わったな、と…―

「ッ!?」

俺は睨みつけていた目を見開く。

―昔のお前は、そんな目じゃなかったぞ、と…―

「…」

―自分の為だけに生きて、殺して…何も信じていなかった目…だったろ、と?―

図星、だった。

昔の俺は、誰かの為に生きたり、戦ったり、そんなことは絶対にしていなかった。

"ただ、自分の為だけに戦って、生きる"

それが、"昔"の俺。

「煩いぞ、と」

でも、"今"の俺は…

違う…

―じゃあ、これでも?―

もう一人の俺の隣に誰かが現れる。

それは金髪に蒼い目、純白のスーツを身に纏った

俺の…大切で、大好きな人。

「しゃ、ちょ…!!!??」

―そ、お前のダイスキなしゃちょー様だぞ、と―

もう一人の俺が懐から何かを取り出す。

「っお前…止めろ、とッ!!!」

それは、サイズが普通のより小さめの拳銃だった。

それをあの人のこめかみに押し付ける。

「お前…!!撃つんじゃねぇッ!!!ルーファウスも逃げろよ、と!!!!!」


だが、あの人が動く気配など、微塵も感じない。

―昔のお前は…―

カチリ

もう一人の俺は、引き金に指をかける。









「止めろォォオオオ!!!!!!」











バァン…
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