夢の部屋 ☆


□prologue
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 僕達が産まれる18年前に、第二次天地戦争と呼ばれる戦争があった。

 第一次天地戦争は千年前に起こった戦争で、その時代は僕達の祖父ピエール・ド・シャルティエがソーディアンメンバーで活躍したらしい。

 第一次天地戦争では天上王ミクトランを打ち取る事は出来ても、本来の目的である、世界を滅ぼす程のエネルギーを持つ巨大な『神の目』の破壊に失敗し、これを封印して戦争は終わった。

 第二次天地戦争と呼ばれる戦争はどちらかと言うと“争乱”の方が正しい表現だと僕は思う。
 正式な六本のソーディアンの一つ、ベルセリオスを乗っ取ったミクトランがヒューゴの体を支配して起こした戦争だから。
 結果的に、スタンさんを始めとする四英雄と――…そして、千年前の事故でタイムスリップをした母さん――白き英雄タツミ・コウヅカと他五人の英雄によって世界は平和を取り戻した。


 でも、母さんは最後の戦いの時に深い傷を負ってナツメが造った“氷柱”の中で18年間眠りついた。…その時、僕達を既に母さんは身ごもっていたりする。
 
 そして…母さんは18年後の世界で再び目覚めて、カイル叔父さんとリアラさん達と時空を越える旅に出てまた世界を救ったらしい。
 その旅のメンバーの中に、父さんも…いたと言っていた。父さんはその話になるといつも照れて顔を背けていたけど…あれは何故だったのだろう。

 あぁ、でもその旅は世界の誰も知らない事だ。
 歴史を直せば、歪んだ歴史は消えて正しい歴史になるから…全てなかった事になる。リアラさんがそう言っていた。

 でも、奇跡と言う奴は本当にあって…リアラさんはカイル叔父さんと出逢えた。



 ちなみに僕達はカイル叔父さんに感謝している。

 ロニが言っていたから。

「エルレインが干渉した歴史じゃ、リオン・マグナスは生まれ変わってないからな」

 ――…そう、言っていた。



 僕達の本当の父さんは、リオン・マグナス。育ての父親はその生まれ変わりの…エミリオ・デュナミス。




 僕達は、そう…様々な運命と奇跡が折り重なって生まれる事が出来たんだ。






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「リアーン、シオーン朝よ、起きて!!」
 
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