異端者
□異端者8
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「…以上が今まで黙っていた事です。」
凛の話が終わり、部屋に沈黙が続く。
漸は突然の話に頭がついていかないようだ。
「その闇子との契約が明日なのです。正確にはあと1時間程でしょうか。」
「えっ!?ちょっと待てよ!!その闇子とかいう奴に体渡したら凛は乗っ取られるかもしんねぇんだろ!!」
「まだ分かりませんが…そうなる事も予想されます。」
「そんなのダメに決まってんだろ!!俺が許さねー!!」
「漸…」
すると、今まで2人のやりとりを黙って聞いていた火影が口を開いた。
「漸…お主、凛に着いて行ってはくれんか?」
「火影様!?」
「当たり前だろ!最初からそのつもりだ。」
「しかし漸、私もどうなるかわからないのですよ?危険です。」
「だからこそだろ。」
「え…」
「危険かもしんねぇ…けど放っておけないだろ、この里も…凛も。俺が守るんだ!」
その時凛が見た漸の表情は、とても輝いて見えた。
「…じゃあ、お願いしますね漸。」
漸の気持ちが嬉しくて、凛は自然と笑顔になる。
「(ドキッ//)…お、おう!任せろ!!」
「……そろそろ時間ですね。」
時計を見ると、契約の日まであと30分をきっていた。