異端者
□異端者6
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「敵は…200ってとこだな。」
「前方に100、左右に50ずつ。これで気配を隠しているつもりなんでしょうか。」
「へっ、だだもれだな。じゃあ俺は右から!」
「では私は左からですね。」
「そんじゃ、「またあとで。」」
ここは真夜中の死の森。
あれから漸は凛をパートナーとし、任務を行っている。
もともと最強の2人が組んだのだ。
向かうところ敵なしである。
今日もS級任務にも関わらず、あっという間に任務を終わらせてしまった。
「なんだよ、全然大したことねぇじゃん。」
「そんなこと最初からわかっていたでしょう。」
「そうだけどさぁ〜。」
そう文句を言いながら漸は報告書を書いている凛の後ろから抱きつく。
「漸、邪魔です。」
「冷たい…」
「離れてください。」
そう凛に言われ、漸は渋々離れた。
パートナーにはなったものの、凛はまだ漸との間に一本線を引いていた。
漸を信用していない訳ではないのだが、今までそうやって生きてきたのだ。
急になくせるものでもない。
漸もそれを理解しているからこそ、無理に凛との距離を縮めようとはしなかった。
今はまだゆっくりでいいのだ。