異端者

□異端者3
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「………。」


俺は呆然と立ち尽くしていた。
今し方、目の前で起こったことが信じられなくて…でも真実に変わりはない。


「どうしました、漸?」


俺の前には暗部総隊長の凛が、何事もなかったかのように涼しい顔をして報告書を書いていた。

先ほど、目の前で起こったことを説明すると…
今回の敵は200人で、俺は凛の実力を知るため様子を見ることにした。
そしたら凛はいきなり見たこともない印を結んだ。
と思ったら、いきなり何か黒いものがまるで高波のように現れ、200もの敵を一気に呑み込んでそのまま敵もろとも消えてしまったのだ。
本当に一瞬の出来事だった。


「い…今の術は………」


「秘密です。」


凛は人差し指を口の前まで持っていくとニコリと微笑みながらそう答えた。

笑った顔初めてみた…
やっぱ美人だな〜…って!!!
俺は何考えてんだ!!!
確かに凛は美人だけど…いやそうじゃなくてっ!
とにかく今はそれどころじゃないだろ!!

なんて一人で混乱しているうちに凛は報告書を書き終えたようだ。


「さぁ行きますよ。」


「ちょ…ちょっとまった!!」
俺はとっさに凛の腕を掴んだ。
その腕は予想より遥かに細かった。

……あれ?この感覚どっかで…
 
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