□学園祭☆
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ポンポン
閃の肩を叩きながら良守は言った。
「人間、諦めが肝心だぞ。影宮。」
「……お前、今絶対楽しんでるだろ。」
「さぁ〜」
ムカッ
「だったら、良守お前が王子役やれよ」
「はぁ?何で俺が?大体俺が王子キャラじゃないだろ」
「それだったら、俺もシンデレラキャラじゃないだろ」
「でも、お前の場合満場一致で賛成だったじゃんか」
「それは、お前がっ」
はーいそこまで!二人が仲が良いという事はよーくわかったから、痴話喧嘩はその辺にしとこうね。
『な゛っ…』
はいはい、影宮君が言いたい事はよーく分かるよ。でも今は我慢して、ねっ?
そして、良守。
「何だよ!」
お前、王子やれ。俺は別にお前が王子でも変じゃないと思うし、何よりお姫様直々の指名だしな。
と、俺は思うのだが、皆どうだろうか?
「では、王子は良守君でいいですか?じゃあこれも満場一致と云うことで、二人ともお願いしますね。」
じゃあ他の役も決めますか。あっそこのお二人さんは何か用事があるんなら帰っていいぞ
「…………」
「何だよ、影宮」
あの後せっかく帰らせてくれるのなら、とカバンの用意をして帰ろうとした時、閃にカバンを捕まれ屋上へとつれて行かれた。それで今の現場に至るという訳である
「お前のせいだ」
「は?声小さくて、よく聞こえない。」
「……お前のせいでシンデレラやる羽目になっただろ」
(あぁーそういう事ね…)「なら、俺だってお前のせいで王子なんかやる羽目になった。これであいこだろ?」
「はぁ?それの何処があいこなんだよ!!こっちは女装しなくちやあならないんだぞ。」
「そうか?お前がシンデレラやっても様になるだろケド、俺が王子やるってのは寒いだけだと思うぞ。
それにさっ、お前の場合劇の役にとかにならない限り、絶対文化祭に参加しないだろ。せっかく学校に来てるんだから学校行事くらい参加しようぜ」
てか、学校になんの思い出もないなんて淋しいじゃん。そんなの俺が嫌だ
「良守…」
「だからさっ、一緒に頑張ろうぜ。それでもって、最高の思い出にしような」
そんな風に笑顔で言われたら断れねぇじゃん…
「もう決まっちゃったし、しょうがないから付き合ってやるよ」
「ホントか?やった!」
うれしさのあまり思わず閃に抱きついた良守の顔は満面の笑みを浮かべていて、
「うわっいきなり抱きつくなよ!!危ないだろ」
と、言ってる閃の顔もどこか嬉しそうだった…
文化祭が近づいて来た、私立烏森学園の午後の昼下がりの出来事だった。
End
おまけ☆→