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□緊急事態
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「お前なんかに案内されなくても場所くらい分かる。足手まといは戦場に来るんじゃねぇ!邪魔だ、さっさと帰りやがれ!………という捨て台詞を吐いて先程私の前を軽やかに走っていかれたエクソシスト様が、今まさに木の枝に引っかかって虚しく揺れてるみたいなんですが、なんですかコレ?笑うところですか?」
「……」
「遠くからみたら自殺する人のそれかと思って一瞬ヒヤリとしましたけど、よく見てみたらなんてことはないただの神田さんでしたよね。で、これはなんですか?笑うところですか?」
「……」
「神田さんがタッタカタッタカわき目もふらず走っていっちゃった時は正直焦りましたよ。目的地は反対方向でしたから。何度もそっちじゃないですよー神田さん迷子になりますよーって叫んだのについに最後まで気づきませんでしたよね。それでこれはドッキリですか?笑うところですか?」
「……」
「てっきりもう目的地についてAKUMAを全員倒してくれてるのかと思いきや、バナナの皮に足を滑らせて崖から真っ逆さまに落ちていったってAKUMAが教えてくれましたよ。めっちゃ心配してましたよ。敵にまで同情されるエクソシストなんて生まれて初めて見ました。まあ何はともあれまた会えてよかったですよ神田さん。それで私はいつ笑えばいいんですか?」
「………た、」
「はい?」
「……助けて、くれ」
「ぶふぉっ」
「……」
緊急事態
20101118