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□破壊力抜群
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「ティーキー」
「なぁに」
「海行かないー?」
「海?」
「そうだよ。ティキが大好きなピチピチぷるんぷるんギャルがたくさんいるところだよ」
「人を変態みたいに言うんじゃありません」
「みたいじゃなくて変態って言ったつもりだったんだけどね」
「おい」
ふふ、と意味深な笑みを残して女は自分の部屋へ引っ込んだ。
別に海は嫌いじゃないが好きでもない。ピチぷるギャルは好きだけど暑いの嫌いなんだよなー俺。
「ティーキー」
「今度はどうした」
「水着の試着してみた」
「……」
「どう?」
「いや、俺的にはベッドの中でそれ着てくれれば今夜は盛り上がると思いま」
「何の話だ変態」
「ほめんなひゃい」
「ティキじゃ話になんないや。ワイズリーに見せてこよ」
「なんで他の男に意見求めんだよ」
「だってティキ水着に対して意見言わないし役に立たないから」
「役に立つから!」
「必死だなおい」
黒地にピンクのレースとラインストーンをあしらった水着は誰が見ても確実に眩しい。おまけに紐で結ぶだけで彼女の身体に辛うじてくっついてるそれらの布は、なんていうか、色んなことを妄想するのに充分だった。本当にごちそうさまです。
「ねぇティキ」
「あ、ああ。意見だっけ?ご飯3杯はいけるよ」
「頭大丈夫?」
「それで俺はいつその紐解いていいの?」
「そんな日未来永劫来ないよ」
「やべぇ鼻血出そう」
「暑いと変な人増えるって本当なんだ」
鼻を抑えて上を向く俺に、女は呆れたような声で聞いた
「いつ海いく?」
「行かねぇ」
「え、」
「海なんてぜってぇ行かねぇ」
「なんでよ!」
「お前が他の奴と行くのも禁止な。つーかその水着着るの禁止」
「はあ!?」
意味が分からないと俺をグーで殴った彼女は、納得行かないという顔をしながらロードの部屋へ駆け込んでいった。……チーム女子の報復が怖ェな。
窓からサンサンと降り注ぐ太陽は今年の夏の暑さを物語っていた。
「夏……早く終わんねぇかな」
破壊力抜群
(あんなの誰にも見せたくなくなるだろ)
20100724