□君と私の間
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歳が離れる前にこのどっちつかずの関係をどうにかしたいと思い立ったのは一週間前。歳が同じだからかいつからか一緒にいることが多くなって気が付いたら好きになってた。でも仲が良いからこそこの距離を縮める勇気が持てなくて気が付いたら友達以上恋人未満の関係。
何の進展もなしに誕生日を迎えそうなこの状況に溜め息が出た。




「知ってました?溜め息って幸せ逃げるんですって。誕生日前に幸せ逃がしてるのなんて君位ですよ。」


『知らないよ、そんな迷信。つーか、信じない。』


「じゃあ、これも知らないでしょうね。好きな子ほどいじめたくなるって言葉。」


『何それ、何で今そんな話になるの?』




首を傾げて言ったら、可愛くない、と溜め息をつかれた。悪かったなコノヤロウ。




「知らないふりの方がまだましですよ。」


『知ってるわよ、その言葉くらい!溜め息つくな!』


「でも僕の言いたいことは分かってないでしょ?」


『は?言いたいこと?』




分からないから聞いてるのにアレンときたら、自分で知ろうとしないから君は馬鹿なんだ、とまた溜め息をついた。
誕生日3分前にイジメのラストスパートですか?16歳になった瞬間もいじめる気ですか?




「君は信じないでしょうけどね、好きな子ほどいじめたくなるって本当なんですよ。」


『へー、そう。私はないな。』


「ああ、君はMだからか。それとね、君は知らなかったでしょうけどね、僕は身の程知らずに知らないふりしたり脳みそ…ていうか、外見すら年齢に追い付いてなかったり誕生日目前に溜め息ついたりする女が好きなんですよ。非常にいじめたくなるんですよ。」


『え、えむって!違うもん!Mなんかじゃないもん…!…………………………って、え?』




未だ混乱している私にアレンは、もんってキモいんですけど、身の程を知れよ、まじで、と吐き捨てた。悪かったなコノヤロー。

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