俺得ドラクエネタ4
「フローラかビアンカか?古い古い。いつの時代の話してんだよ」
学校の椅子にふんぞり返った島崎は、そう言って鼻で笑った。よほど自分の意見に自信があるらしい彼は私の持ってるゲーム機を一瞥し、もう一度半笑いで首を振った。
「時代はデボラだよ」
「ピッ」
「なんでビアンカにしてんの?俺の話聞いてた?」
「いやぁ島崎らしいなぁと思って」
「おまえ何で俺に意見求めたんだよ」
「アンケートにご協力いただきありがとうございました」
「反映されてねーじゃん」
「そういうもんだよね、アンケートって」
はっはっはと笑いながらAボタンを連打する。
隣から画面を覗き込んでいた彼は手で顔を覆いながら、俺のデボラが、とか妙にしんみりした様子でつぶやいた。
「どこがいいの。ただのビッチじゃん」
「そこがいいんじゃねーの」
「まじか」
「フローラとビアンカがただ幸せを待つお姫様タイプなら、デボラは間違いなく肉食タイプだよ。あいつは欲しいもののためなら手段を選ばない捕食者だね」
「島崎ってロクでもない趣味してんね」
「まーね」
胸を張った変態を蔑んだ目で一瞥した。こいつ絶対Mだ。
「私はデボラ嫌い。"私の男にしてやってもいいのよ"的な態度が嫌い。恥かかせてやりたくなる」
「そうか?俺は言われたいね、そんなセリフ」
「まじか」
「守られてるお姫様より闘う女が好きなんだよ、俺」
そこまで言うと島崎はニンっと意味深に笑った。
「だってお前みたいじゃん」
同族嫌悪
怒ればいいのか喜べばいいのか分からなかったので、取りあえず殴っておいた。
20110429