白いキセキ
□木漏れ日の中で
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『おやおや……クハハハ、これは珍しいお客様だ。そんな事を言われたのは君が初めてですよ』
『…誰にも?じゃぁ私、骸の“最初”だね』
私がそう言うと、骸は私をぎゅっと抱きしめた。
『暖かい…ですね。もう少し早く会いたかったですよ………』
『骸…?』
『将来、僕は君のもとへ必ず行きます。だから忘れないで下さいね?』
私の髪が、風にサラサラ揺れる。
『骸という名を、僕という人間を…。
さぁ、もう行きなさい。ココは、君が居てはならない』
『骸…また、会えるよね?』
『クフフフ…勿論です。さぁ、早く』
木漏れ日の中、骸は笑っていた。
唇に、微笑を浮かべながら。
骸に、また会えるよう祈りながら。
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