文W

□いつもの場所
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エンデュランスは何をするでもなく一人でエリアにたたずんでいた。

初めは楽しそうだった表情が時間が経つにつれて、だんだんと沈んでくる。

昨日ハセヲと会う約束をした。

ハセヲは笑顔で

「じゃ、明日いつもの場所な」

と言ったはずだ。


エンデュランスは昨日の二人のチャットのログを探そうとしたが、途方もない作業になりそうだったのであきらめた。


今日じゃなかったのだろうか。

時間が違ったのだろうか・・・。

まさかハセヲに何かあったのでは・・・!


とまで考えて、エンデュランスはいてもたってもいられなくなり、タウンに帰還するなりログアウトしてメールをチェックした。

しかし、新着メールは届いていない。


「ハセヲ・・・」

不安で胸が張り裂けそうで息もできない。

吐息のかわりにハセヲの名を呟くと、軽やかな音が一つしてメールの新着を告げた。

「ハセヲ!!」

差出人はハセヲで、エンデュランスは無我夢中でメールを開いた。

そこには簡潔に一言だけ。


『ケータイ見ろ』

と書かれていた。


エンデュランスは弾かれたように体を起こすと、上体をひねってサイドテーブルに置いていたケータイに手を伸ばした。

一分一秒がもどかしく、こういう時だけ不器用になる指を忌々しく思いながら、必死にケータイを確認した。

着信履歴が6件、新着メールが3件―


―すべてハセヲからだった。
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