文V

□帰り道
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長太郎ってねーちゃんいるんだっけ?

はい。いますけど…どうかしたんですか?

長太郎に似てんの?

えー?・・・背は高い方ですけど、俺ほどじゃないし…顔は似てるかなぁ・・・俺が小さかったころは、姉さんにそっくりだってよく言われてましたけど…。

性格は?

どうしたんですか!急に姉さんのことばっか・・・

うるせぇな!いいから教えろ。

・・・・・・性格は似てないと思いますよ。気が強くて、俺の物は何でも横取りしますし、のめりこむタイプだけど飽きっぽくて・・・こないだ家に帰ったらガレージでフェンシングやってました。

パワフルな姉ちゃんだな…ちぇーっ、全然お前に似てねーじゃん!

はぁ、すみません…って、何なんですか!?一体・・・

いやさ、お前にそっくりの姉ちゃんだったら、ちょー俺の好みじゃね?って思ってさ。


えっ?


いや、冗談じゃなく。ビックリするほどお前って俺のタイプなんだよなー。


えぇっ?


年下だからすんげー気ぃつかってくれるけど、面白い冗談とかも普通に言ってくるし、文句言わずに何でも付き合ってくれて、俺の思い通りにさせてくれるし、いて欲しい時にいてくれるし…って何かもうお前俺の恋人じゃね?


えっ!?俺宍戸さんの恋人ポジションだったんっすか!?


だってさ、ただの先輩後輩は毎日一緒に帰ったり、デートで行くような場所に男二人で行かなくね?最近同じクラスのジローよりお前の顔をよく見てるっておかしーだろ。どう考えても。

もっと早く教えて下さいよ!はぁー宍戸さんの恋人ポジションだったなんて・・・もっと色んなことしてあげれたのに!

うっせーな!叫ぶな。落ち着け。

・・・はい、すんません。

てか、俺の恋人ポジションだということに疑問をもてよ。何はしゃいでんだ。

光栄です!

バカが。お前は一体俺の何をそこまで気に入ってんだ。付き合いきれねぇよ…

宍戸さんのまっすぐな性格も、心配性でめんどくさがりなとこも!笑顔がステキなとこも、強引なとこも!全部好きです!もっともっと宍戸さんのことが知りたいから、恋人ポジションにいさせて下さい!

何で涙目なんだよ!激ダサ!てかポジションにいさせて下さいってなんだよ!

姉さんなんかより、俺を恋人にして下さい!

はぁー、もう付き合いきれねぇつったろ?

・・・すみません!

勝手にしろ!何かもうお前でいい。タイプだし、たぶん。

宍戸さ、ん・・・っ!!

うわっ、お前泣くなよな!激ダサ〜!

すみませんっ・・・嬉しすぎてっ・・・!

あー何か、ヤバい。

ぇ、何がですか?

ちゅーしたい。

・・・・・・・えぇっ!?俺とですかっ?

この流れでお前以外の誰とだよ。

でも、ここ、路上ですけど・・・。

そうだな。人もいっぱいいるな。

し、しちゃうんですか?

そんなワケねーだろ。こんな学校の近くで、知り合いがいてもおかしくねぇんだぞ!

ぇ、あ、ですよねー。

何がっかりしてんだよ。分かりやすいヤツ〜!

・・・。

で、どこがいい?

え?

だから、俺の初めてのキスの場所。今日はお前に告られて機嫌良いから、お前に決めさせてやるよ。俺の一生の思い出になる場所。

・・・!!

顔、真っ赤だけど?変なこと想像してね?言っとくけど、あんまいかがわしいとこは行かねぇからな。

お、俺の部屋で!って言いたいですが、我慢できそうにないんで、途中の公園でもいいですかっ?

あー、まぁ暗くなってきてるし、いいぜ!時計塔側のベンチんとこが穴場だってクラスの女子が言ってたし。

ありがとうございます!宍戸さんちょー可愛いです!

お前テンパりすぎて余計なことまで口に出てるぞ。


あー早く公園つかないかなぁ!

・・・お前、もう黙れ。ハズい。

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