捧げ物
□俺達
1ページ/3ページ
俺達が付き合い始めたのは調度一週間前。
酔った勢いで何時の間にか(いやハッキリおぼえてはいるのだけれども)
そんな関係になっていたわけで。
それから土方の仕事の都合やら何やらで暫く会っていなかったのだが、昨日の夜に電話が掛かって来て、明日(つまりは今日)休みを作るから二人で何処かへ出掛けようとのお誘いが来たわけで。
いやいや別に緊張してるとかそんなんじゃないからね。
そんな中2の初デートじゃあるまいし・・・・!
少しそわそわしながらも万事屋にて俺は土方を待っていた。
時計をちらりと見遣ればあぁもうどうしよう後10分位で土方が来ちゃうよ。
あいつ無駄に律儀だからね大体約束の時間より早めに来るタイプだからね。
ピーンポーン
(ほらきた来ちゃったぁぁあああ!!!!)
慌てて駆け足で玄関へと向かい、念のため確認を取る。
「ど、どちらさんですか〜コノヤロー」
「よ、よう銀時。むむむ迎えに来たぞ。」
ほらね土方君登場。ガラガラと戸を開けて土方を迎え入れる。
「何処か行きたい場所はあるか?」
「何処でもいい、よ」
「そ、そうか。んじゃ、映画でも見に行くか?」
「あ、うん・・!」
あぁもういい大人が二人して何緊張してんだよ!恥ずかしいったらありゃしねぇ・・!
そうして俺は土方と肩を並べて歩き出し、万事屋を後にして一先ず映画館へと向かう事にした。
歩きながら辺りを見回せば、休日の外は相変わらずの賑わいで、人々で溢れかえっている。
スッ、と何かが手に触れたかと思い見れば、それは隣にいる土方の暖かな手だった。
「こんだけ人がいるんだ、誰も見てねぇよ。逸れちゃ困るしな。」
土方の顔を見遣れば照れ臭そうにしていて少し顔が赤かった。
恥ずかしくも、優しくて以外と恋人らしい姿を見せてくれる土方が嬉しくて、俺は遠慮がちに俺の手を握る土方の手を、返事代わりにギュッと握り返した。
そうすると、土方も強く握り返してくれた。