宇宙(そら)に祈りを…

□#05 故国燃ゆ
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海底に佇むトレミーのブリッジで、ミレイナは大いに不満をぶち巻けていた…

「…あ〜あ、留守番なんてつまんないですぅ!」
「そう言わないで…プトレマイオスの補修にアロウズの新型MSの検証…00のツインドライヴの調整…やる事がいっぱいあるのよ…」
「解ってますけどブーブーですぅ!それにロビンガーさんも一緒に行ってるですぅ!」
「…沙慈って奴を気遣って…だろ?知り合いらしいしな…」
「アタシ達は、アタシ達でやる事を遣らなきゃ…ね?ミレイナ?」

フェルトがミレイナをたしなめる姿を見て、ラッセは思わず微笑んでいた…



ライルの乗ったケルディムガンダムが、アレルヤの乗るアリオスガンダムと、スメラギ・刹那・マリナ・ティエリア・沙慈・そしてルシアの乗ったVTOLを先導する…中東の砂漠のど真ん中にある、カタロンの秘密基地を目指して…ティエリアが一面に広がる砂漠を見ながら、思わず呟いた…

「…こんな場所に…良く連邦に見付からないものだ…」
「連邦は、非加盟国の多い中東全域にGN粒子を撒いている…建前では、粒子効果でテロ組織の情報網を遮断する為らしいが…実際は中東国家の経済活動を麻痺させるのが目的だ…連邦の政策に従わない国は痛い目を見るって事さ…最も、GN粒子のお陰で、カタロンの施設も発見されないでいるが…」

ティエリアの疑問に、ライルが饒舌に語る…此処まで良く説明出来るものね…とルシアは聞きながら思った…

「…詳しいな…」
「そうかい?常識の範疇だよ…」
「…嘘つき…」
「…何か言ったか?ルシア・ロビンガー…」
「い〜え、独り言よ…よそ見しないでね、刹那…」
「…解っている…」

と、ザザザ…とVTOLに雑音を伴った通信が入る…カタロンの基地からだった…

「聞こえるか?そちらの機体を確認した…ハッチを開ける…」
「了解!」

刹那が応答する…と、眼下の砂丘がゆっくりと口を開き、デッキが現れる…2機のガンダムとVTOLは、デッキに滑り込むように入っていった…



カタロンの基地に入ると、ソレスタルビーイングの面々は手厚い歓迎を受ける…機体の周りを、カタロンの構成員が取り囲んだ…

「…これが、ガンダム…」
「あぁ…アザディスタンを救った、英雄の機体だ…」
「良く来てくれた、ソレスタルビーイング!」
「歓迎するよ!」
「顔は見せてくれないのか?」
「…あぁ…悪かった…」

と、ライルがヘルメットを取ろうとするのを見て、慌ててティエリアが止める…

「…我々には秘匿義務が…」
「堅いこと言うなよ…助太刀して貰っただろ?」
「ウッ…」

確かにライルの言う通りだ…そして今、ソレスタルビーイングに秘匿義務は無いに等しい…ティエリアは渋々従った…そんなやり取りを横目に、アレルヤはバイザー開け、素顔を見せる…そして格納庫を見渡していた…

(…反政府組織…カタロン…)
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