01/05の日記

22:40
携帯達の集い
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「あら、お久しぶりですねえ。」
どういう偶然なのか、イヅルに置いて行かれた部屋には懐かしい先客達がいた。
「そうだね。こんなに集まるのは滅多に無いよね。それより、彼。ちょっとみてよ。」
久しぶりーと京楽が笑って手を振る。
「おや、更木さん。えっらいかーいらしい顔文字使てますな。お、デコメまで。
あんたがデコメって全然似合いませんわあ。」
「うるせえっ!!!やちるの趣味だ。仕方ねえだろ、そういう時代なんだからよ。」
くくくと吹き出す市丸にチリチリと鳴る可愛らしい鈴のストラップを揺らしながら更木が怒鳴った。
最新機種にしては大きく重い更木だが、渋い外見に似合わず持ち主の少女に甘い。
というよりもこのタイプの携帯達は多かれ少なかれ持ち主には甘いのだ。
「あれ?日番谷さん。あんたも可愛くなってますなあ。」
「ほっとけ!松本にやられんだ。ていうかお前の前の持ち主だろ?何でお前は何も付けてねえんだ?」
「ボク、身体になんぞ付けられるの大嫌いなんや。もしデコったら車で引き摺られてでも剥ぎ取るって言うたった。」
「そこまで嫌うこと無いんじゃないかな。乱菊ちゃんはセンス良いと思うよ。
日番谷君のデコも上品だし、とても似合っているじゃないか。」
持ち主に断りも無くド派手なピンクの花柄に着せ替えた京楽のセンスに疑問はあるが。
(その姿を見た持ち主である伊勢七緒は無言で携帯を投げつけた。
だが投げた先も硬い床や壁を避け柔らかな絨毯やクッションで、止めろとも変えろとも言わないあたり本当は嫌ではないらしい)
確かに氷を模したデザインに本物のクリスタルを使用したデコは日番谷にとても似合ってる。
「まあな。真剣に考えて選んでたからな。」
最新機種の中でも新しい日番谷もやはり持ち主には弱いのだ。
「うわー・・・藍染さん、随分すごいストラップですなあ・・・」
落ち込む藍染を気遣い、他の誰もが誰も見ない振り見えない振りをしていたのに遠慮なくつっこむのは流石市丸ギンである。
いや、相手が藍染だからこそ敢てそれに触れたのか。
じゃらじゃらと多量にくっついたストラップは一つ一つが大きく嵩張りもやはどれが何かも判別不能だ。
「ふっ。凄いだろう。このうちのいくつかは発信器入りだよ。
君は信じられるかい?GPS携帯に発信器をつけるんだよ。」
藍染に一目惚れして吉良から強引に手に入れて以来、雛森の藍染への執着は異常である。
一瞬足りとも離れることを嫌がり、今日も絶対他には行けないからとやっとこの部屋に預かったのだ。
(アンタが何度も逃げようとするからやろ。)と思っても口に出さなかったのは僅かながら感謝の気持だ。
雛森が藍染と日番谷の携帯交換を吉良に頼まなければ市丸が吉良の携帯になることはなかったのだから。
もし彼が藍染の持ち主となって自分と出会っていたらなど考えたくもない。
「ストラップといえば、杇木さんが付けてはるのも珍しいですなあ。」
「ルキアの手製だ。」
「ああ通りで。斬新なデザインだよね。」
おそらくはウサギなのだろうと辛うじてわかる程度の微妙な出来映えではあるが本人(と持ち主)が良ければそれで良いのだろう。
(実は持ち主恋次は外したいのだが、白哉が気に入ってるので外せないだけである)
「何か可笑しいか?」
「いえ、アンタのマチキャラ(わかめ大使)よりはエエと思いますよ。」

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