妄想小説
□恋愛中毒D
1ページ/15ページ
―――結局チエは、そのまま一睡も出来ずに朝を迎えた……。
あれから、意識を手放したトウコを寝室に運び、リビングの片付けをした。
時折、うなされては声を上げるトウコの元へ行き『もう大丈夫です』とつぶやきながら手を握り落ち着くのを待つ……。
酔いはすっかり覚め、眠気はどこかに行ってしまった。
「今日が休みでホントに良かった…」
『……ユキさんっ…ごめんなさいっっ……』
――ユキさん………。
悲痛な叫びの中で、確かに呼んだその名前 。
チエにはそれが誰だか、全く見当がつかない。
.