拍手文庫
□メリークリスマス★
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「いやぁ〜今日は飲んだなぁ〜!」
「そうですねぇ、久しぶりに馬鹿騒ぎした気がしますわ〜」
組での忘年会とクリスマス会を兼ねた飲み会が終わり、トウコさんを肩からぶら下げるようにして帰宅した。
これから何かと忙しくなる皆での宴はとにかく盛り上がり、ウチもひたすら飲み、騒いだ。
もちろんトウコさんも。
今日だけは無礼講とばかり、誰も咎める人はいなかった。
「チエ〜、お水ちょうだい」
「あ、はいはい、ちょっと待ってて下さいねー…」
ソファーにドサっと身を投げ出したトウコさんは、赤い顔をウチに向けて甘えた声で言った。
ちょっと飲み過ぎじゃないのかな…なんて途中で思ったりもしたけど、気持ちは分からなくもないから何も言わなかった。
「はい、トウコさん。お水ですよー」
「ぅ〜ん…さんきゅー…」
ペットボトルのミネラルウォーターを勢いよく飲むトウコさんに並んで、ウチも隣に座った。
「あ!ねえねえ、トウコさん、ビンゴの景品なんですかね?」
足元に転がっているクリスマス色に彩られた箱。
トウコさんが見事ゲットした戦利品だ。
「おお!せやったな!!」
言うが早いか、トウコさんはその箱を膝に乗せると、勢いよく包装紙を破いた。
「こういうんはな、ビリビリに思い切り良く開けんのが礼儀やねん!」
鼻歌でも歌い出しそうな、ご機嫌な横顔。
まだ宴は続いているみたいだ。
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