拍手文庫

□ダーリン…若しくは同列…或はライバル
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確かに、先に寝てていいって言ったのはあたし。


チエだって疲れてるんだし。
あたしはまだ風呂にも入ってなかったし。
もう深夜をとっくに過ぎた時間だし。
明日も稽古あるし。



でもさ。

なんてーの?

あたし、一応これでも先輩なわけだよ。

で、多分、こいつよりも立場は上なわけだよ。



そのあたしが、風呂に入ってる隙に、ソファーならともかく、堂々とベッドで寝てる…って、どういうこと??




――しかも、相当シアワセそうな寝顔…。




「…口、開いてんで…。」



呆れ半分で、その隣に潜り込もうとすると。

あたしの定位置には先客が…。




「………。」





…いや。

可愛いねんで?

似たような顔を並べて、無防備にスヤスヤと寝息を立てるその姿は。

思わず頬が緩んでしまうほど、
暖かい光景では…ある。


起こすのは忍びない…とも、思う。






……でもな。


「チョコ、こっちおいで。」



名前を呼んだら即座に反応して、あたしを見上げるつぶらな瞳。

そのお気に入りの枕からスルッと抜けだし、あたしの方に擦り寄って来た。



「…今日は、あたしの腕で我慢出来るか?」



そっと抱き上げて、しっかりと目線を合わせる。




たら〜んと伸びた身体の先の尻尾が、パタパタと動く。
こういう時吠えないチョコは、さすが空気を読める子だと思う。







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