拍手文庫

□ダーリン…若しくは同列…或はライバル
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『ただいま〜〜!』



我が家には、愛しのダーリンが一匹。
今日も可愛く玄関までお出迎え。


『いい子にしてたか?』


足元でピョンピョン跳びはねては、縋るように見上げてくるクリクリした目。
「愛くるしい」とは、こう言う時に使う言葉だろうと思う。

肩に掛けていた荷物を下ろすと、小さな体を片手でヒョイと抱き上げる。



『ちょっと待ってな?すぐご飯にしたるから』



顔をガンガン舐めてくるダーリンは、きっと少し寂しかったんだろう。
まあ、一日中一人でほっとかれてたら、誰でもそうだろう。
ウチとのこんな生活に慣れているから、必要以上の我が儘をしたりしない。

……カワイイやつめ…。



『今日は稽古場でな、しぃちゃんさんとトヨコさんに……』



どこまで分かっているのかは知らないが、今日あった事をチョコに報告するのがウチの日課。


(……危ない?淋しい人??そんな事ないも〜ん!♪)


美味しそうにご飯を食べる姿を見ていたら、そういえばお腹空いたな〜…なんて思ったり。



『……ウチもご飯にしよーっと…』



ちょいちょいと小さな頭を撫で、気分を切り替える。
稽古場では必死過ぎて、どうしても神経が尖る。

この小さな存在がなによりの癒しだ。



『…感謝してます』



呟き声に、不思議そうにウチを見上げて小さく首を傾げると、また食事を再開…。


…まあな。こんなもんやろ。



ご飯の邪魔は、誰だってされたくないもんだ。






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