銀魂:病沖田×浮気彼女






「お帰りなせェ」

『ただいま、総悟』


帰って早々、あたしに抱き付いてくる総悟は、あたしの体から香る薫りに眉をしかめた。
でも、何も言ってやらない。
だってこれは、お互い同意の上でのこと。
先に浮気した、アンタが悪い。
だから、あたしが今まで誰と何してようが、総悟には何も言う資格はないの。


「…なぁ。」

『…?』

「俺の事…どう思ってんでさァ」


真摯な瞳。
震える唇。

知ってる。総悟がこうなる時は決まって不安な時だ。そしてそれから、不安定な時。
あたしはそれに気付いていて、でも平気で嘘を吐く。


『すきよ』

「…っ、じゃあ…!」

『でも、一番じゃない』

「…!!」


前半は嘘、後半は本当。
揺れる大きな瞳に、もう嫌悪感しか抱けない。
なのに何で一緒に居るのか。
それはね、思い知らせてあげたかったから。
あたしが、女の薫りを纏わせた総悟を見て見ぬふりしてたあの時の感情を貴方にも味わって欲しかった。
たった一度きり、そう言えばそれだけのことかもしれない。
でも、あたしはその一度が許せなかった。
だからね、今はもう好きでも何でもない。


「…なぁ、おい、…」

『…なに?何かシたいの?』


…もうね、君のことは何とも思わないよ。
だから、早くこんな女を捨てて。



▼▼▼



掻き抱いてから、眉をしかめた。
コイツから香る、俺以外の男の匂い。
最初嗅いだ時は、思わず滅茶苦茶に犯したのを覚えてる。
そして、浮気した理由を聞いて。ああ、と頭が真っ白になった。

俺が過ちを犯したのは、実はコイツに振り向いて欲しかったからだ。
いつもクールで俺が何をしてても興味を示さない。
そんなコイツに、妬かせたかった。
嫉妬してほしかった。
そんな陳腐なモノの為だけの軽はずみな行為だったんだ。
…知らなかった。お前がこんな目をするなんて。

俺を見る眼差しは軽蔑。
俺に投げる言葉は失望。

なんてことをしてしまったんだと後悔しても後の祭。
俺は、目の前の他の男の薫りを纏わせた女を、掻き抱くだけ。

絶対に、離さないように。
俺から、逃げられないように。


「っはぁ、…濡れてやがらァ……っ、なぁ、気持ち良いか…っ…?」

『…生理的なモノだと思うけど。弄られたら誰でもそうなるでしょ』

「…っん、く…っ、で、…でも…っ…、」

『あ、今日は挿れないでね。気分乗らない』

「…そ、…な…っ…、」


彼女曰く生理的な愛液をこくこくと飲んでいると、頭上から投げられた言葉。
俺は堪らず熱いモノを取り出して、濡れた秘部に擦り付けた。


「はぁ…っ、ぁ、く…っん、…おい…いれ、たい…っ、…ん、…なぁ……っ!」

『嫌だ、止めて』


冷めた瞳にすら、俺は反応した。
情けない程にびくびくと脈打つそれを液体に絡めながら、冷酷な言葉を俺に投げる唇を何度も舐める。
本当は、コイツの舌を何度も吸って舐めて絡めたいが、それは禁止。
本気で嫌がられた過去があるから、出来ねェ。


『やめて、舐めないで、よ』


唇を舐めていたら、顔を背けられた。
だからしょうがなく、首筋に異動する。
そして、見付けた。
…俺が付けたモノじゃねェ、赤い跡。


「…すま、ねェ」

『…っ、あ、なに…!ちょ、やめて、よ!!』


それを目にした途端、理性がぶっ飛んだ。
何とか謝罪の言葉を吐いてみるが、ちゃんと言葉になったか定かじゃない。
ただただ、荒い息を吐いて、禁止されてた穴に熱い杭を何度も抜き差ししては、望むままに唇から覗いた舌を貪った。

目を見開いて俺を見つめる瞳から涙が伝っても、止めるなんざ出来ねェ。
寧ろ、興奮してしまった。


「…なぁ、…気持ちいんだろ…っ、俺に子宮の入口叩かれて、…っはぁ、…感じてんだろうが…っぁ、は…」

『…、っ、っ…』

「声、出せよ…!!」


止まらない。
コイツを犯すのは、なんて…
なんて気持ちいいんだ、

首を絞める。声が漏れた。足りない。唇を噛む。血が出た。足りない。髪を掴んで尻を打った。涙が溢れる。足りない。俺を見る憎しみの篭った瞳。足りない。

足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない


お前が、足りない。


「…はァ…っ、ぁ、…出す、出る、出る、ぁ、…っ、中に、俺の、ぁ、あ」


どく、どく。
俺が脈打つ。お前の中で。
涙を流してる。お前が。

俺は手を伸ばした。
拒絶される。
払われた俺の手。
部屋から出ていくお前。
名前を呼んだ。

返事は、ない。



名前を、呼んだ。






返事は、…ない。












重い想い、い通り。
(あぁ、ザキ。

今部屋から出た。
…良いか?誰にも見付かるな。
眠らせたまま、連れてきなせェ)









end。蓮梨


感想などありましたら↓へ!



[TOPへ]
[カスタマイズ]

©フォレストページ