リクエスト小説

□世界はあまりにも残酷で
1ページ/6ページ

僕は影だ。
目立たない、地味な黒い影。
そのせいか、僕は先立つ時代に乗れなかった。
憎かった。
僕を取り残した人たち、そして何よりも……。






神が、憎かった。






マスター「ウォッチ殿。この話、いかがかな?」

だから誘いを受けたとき、すごくびっくりした。
憎き神から、スマッシュブラザーズの入団を頼まれたことは。
……でも、生憎僕は素直じゃないんだよね。

ウォッチ「…、あんた、何企んでんの?」

マスター「何も企んでなんかないさ。ただ、手伝ってほしいだけだ」

十分企んでるじゃないか。
ムカついたから、つい攻撃を仕掛けた。
短気だな、自分。
が、さすが神だけあって、僕の攻撃を軽々とよけた。
僕、そういうのが嫌いなんだよ。
キッと神を睨みながら言い返した。

ウォッチ「今さらだよ、そんな頼み。悪いけど、あんたの望みには応えられないね」

自分でもびっくりするような、酷く冷めた声でいった。
それでも神は動じず、僕を見つめる。



――――僕はその瞳が嫌いなんだ!



《神からの願いだ》


《貴方の力を借りたい》


《私、この世界をを助けてくれ》


瞳から感情が出ていた。
馬鹿馬鹿しい。

ウォッチ「あんたは"影"にいる人の思いを知らない。どれだけ苦しんでいるかわかる?どれだけ神を憎んでいるかわかってんのあんたはさぁあ?!!!」

感情的になった僕は無謀にも、また神に攻撃を仕掛ける。
今度は正面から僕の攻撃を受け止めた。
隙をついて回し蹴りを見舞ってやろうとしたが、次の一言でそれをすることができなかった。

マスター「お前の中には"影虫"が潜んでいるだろう?」

一瞬フリーズした。
構わず神は続ける。

マスター「交渉しようじゃないか、ウォッチ殿」

ウォッチ「交渉……?」

そう、と頷くと、僕を解放した。



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ