ひだまり喫茶店
□生徒会長の憂鬱
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「でもさー、本当に何で黒に染めちゃったの?会長の反応はウケたけどさ」
「…(そろそろ言ってもいいか…)誰にも言うなよ?」
「うん!!!誰にも言わないっ!!!(2人の秘密っ!2人の秘密っ!)」←キラキラ
「声でけーんだよ阿呆!!!」
神埼も知らないのか…。
今僕は彼等のクラスにこっそり取り付けた監視カメラの映像を見ている。
(そこ!キモイとか言うな!僕は決してストーカーでは無い!!!)←必死
「(怪しい…。奴は絶対何か隠している。
よし、今日は24時間体制で藤堂悠斗を見張ろう!)」
この会長は、頭は良いのに使い方を間違っているのは言うまでも無い。
そして放課後。
「なぁ悠斗!今日こそゲーセン行こうぜ!」
「悪いな。今日も無理だ」
「ちぇー、何だよ。最近付き合い悪いぞ!」
「(ふむふむ…藤堂悠斗は最近忙しいのか)」
「じゃあまた明日」
「じゃーな!たまには一緒に帰ろうなー!」
神埼は人懐っこい笑みを浮かべて手をブンブン振った。
「(さて…)」
学校以外では監視カメラを設置していないので、ここからは僕自らが行動しなければならない。
気付かれないよう、慎重に追わなければ。
「(彼はいつもと違う道を行くのか…。家から反対だもんな)」←調べた
しばらく歩くと、彼は角を曲がった。
「ん…?」
確かに曲がった筈なのに、彼の姿が無い。
代わりに金属のベルらしき音が響いた。
「…ん…?“Sunny Place”」
看板に彫られている英文は、訳すと“日だまり”だ。
よく見たら喫茶店らしい。
「(しかし…こんな所に喫茶店などあっただろうか?)」