季節外れの桜が舞う
□なんてったって、女の子
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「全く、君は今授業中だと言う事を知っているのかい?」
『知ってますね』
「なら早く授業に戻れ」
『……今、体育だから…』
体育、そうなるとプールか…。
もうすぐ時期では無くなるが。
「水着でも忘れたのかい?」
『……』
「…君、聞いてるの?」
『……入りたくても入れないのに、皆が水中で楽しそうにはしゃいでいるのを見れと…?』
彼女は蟻を棒でつつきながらボソボソと喋る。
入りたくても入れない…?
ふと地面に書いてあった文字が目に入る。
きっと彼女が書いたのだろう。
でもそれを見た時、僕は目を見開いた。
「(だるい、いたい、しきゅうしね…?)」
まさか、
なんてったって、女の子
(…体、大丈夫かい?良かったら応接室のソファー貸すよ)
(……?有難う御座います…)
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