季節外れの桜が舞う

□季節外れの桜が舞う
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「はぁっ、はぁっ、待っ…」


キーンコーンカーンコーン


校門まであと5メートル。
…が、無情にもチャイムが鳴り響く。

ひどい、俺の汗水流した努力が無駄になってしまった。
(だから自業自得って言うな)

チャイムが鳴ると同時に、風紀委員によって門も閉められてしまう。
ちょ、待ってくれ!
…と言いたいが、風紀委員長様に咬み殺されたら大変なので言わない。

俺が校門前まで辿り着いた時には、もう風紀委員の姿は小さくなっていた。


「……ってこれじゃあ中に入れないじゃん!どーすんだよー!」


1人頭を抱えてその場にしゃがみ込む。
…もう仕方ない。今日は休もう。
(どうせ宿題も終わってないし…)

俺が諦めて立ち上がろうとした瞬間、頭上に桜色が舞った。


「(え……桜…?)」


一瞬の事だった。
見た事の無い制服に身を包んだ少女が宙を舞い、易々と門を越えて校内へと入ったのだ。


「あ…」


桜色の髪。
現実には有り得ない、人工色。
ふわふわとしたその桜色は動きにつれて舞い、目を奪われた。



「(…綺麗な色…)」



季節外れの桜が舞う
(ていうか学校入れないんですけど…!)



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