季節外れの桜が舞う
□季節外れの桜が舞う
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俺は、幼稚園でも小学校でも“ダメツナ”だった。
そして恐らくこれからも。
何をやっても成果を生み出せない。だからいつからか周囲からは“ダメツナ”と呼ばれるようになった。
昔はその事に酷く傷付いたが、今はどうでも良くなった。だって本当の事だし。
そう、俺は何をやっても駄目な“ダメツナ”。
だから寝坊だって何回もしてしまう。
「…っ遅刻だー!!!!!」
時計を見てがばりと飛び起きる。まずい、HRが始まるまであと10分しか無い。
今直ぐにダッシュで行かなければ完全に遅刻してしまう。
(何故起こしてくれないんだリボーン!母さん!
まさか新学期だって事忘れてる!?)
普段なら仮病を使ってそのまま学校を休んでも良いのだが、
新学期当日から休んでは流石にまずい気がする。
よって、俺は寝癖を整える暇も無く家から飛び出した。
(勿論着替えはした)
今が夏だという証拠に、日差しが少々強い。
お陰でクリーニングに出したばかりのワイシャツは、早くも汗だくだ。
(自業自得とは言わないで欲しい)
校門まで、あと、少し!
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